ナマズの口内で抵抗、小型昆虫の半数が生還 神戸大が生態解明
ナマズ口内で昆虫が抵抗、半数が生還 神戸大研究

ナマズの捕食過程で小型昆虫が抵抗、驚異の生還率を確認

神戸大学の研究チームは、ため池などに生息する小型の水生昆虫がナマズに襲われても、口内で抵抗して吐き出され、半数が生還していることを明らかにした。この研究成果は2026年3月12日、国際科学誌に掲載された。従来、体が小さいほど簡単に食べられると考えられていたが、実際には多くの昆虫が生き残っており、生態系の新たな側面が浮き彫りになった。

実験で明らかになった生存率の詳細

研究チームは、ミズスマシ科、ゲンゴロウ科、ガムシ科の8種類(体長約4ミリから1.9センチ)の昆虫を各20匹ずつ水槽でナマズに与え、その行動を観察した。その結果、全ての昆虫が一時的にナマズの口内に吸い込まれたものの、51%が生きたまま吐き出されたことが判明した。生存率は種によって異なり、有毒物質を分泌して身を守るミズスマシ科とゲンゴロウ科の昆虫は比較的高かった。

一方、こうした防御物質を持たないガムシ科の昆虫では生存率が低く、体長1センチ以上の2種類は10%から20%しか生き残らなかった。しかし、最小種のマメガムシ(体長4~5ミリ)では70%が生還し、脚でナマズの口内にしがみつくなどして身を守ったとみられる。この発見は、体の小ささが捕食後の防御に役立つことを初めて示すものだ。

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専門家の見解と生態系への影響

チームを率いる杉浦真治教授(生態学)は、「他の昆虫も同様の方法で身を守っている可能性がある。また、ナマズ側の要因として、歯がなく小型の獲物を口内でうまく保持しにくい点も影響しているかもしれない」と指摘する。

宮竹貴久・岡山大学教授(昆虫生態学)はこの研究について、「捕食は獲物を捕らえた瞬間で終わるのではなく、その後の攻防が食物網や生態系の進化に影響を与える可能性を示唆している」と評価した。この発見は、従来の捕食者と被食者の関係に関する理解を深め、生態学の分野に新たな視点をもたらすものと期待される。

ナマズは口を開けて水とともに小さな獲物を吸い込むとされるが、詳しい生態は不明だった。今回の研究により、その捕食過程における昆虫の抵抗メカニズムが一部解明され、生態系の複雑さが再認識される結果となった。

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