恐竜の大絶滅を引き起こしたとされる白亜紀末の小惑星衝突の痕跡を、東北大学などの研究チームが北海道東部で発見した。地球化学的な証拠による確認は、東アジア・北西太平洋地域で初めてとなる。研究成果は専門誌に掲載された(論文URL: https://doi.org/10.1038/s43247-026-03602-z)。
白亜紀末の大衝突
約6600万年前の白亜紀末、現在のメキシコ・ユカタン半島付近に巨大な小惑星が衝突した。この衝突により発生した巨大津波や、大量のちりが太陽光を遮ったことによる気候の激変が、恐竜やアンモナイトなど当時繁栄していた生物の多くを絶滅させたと考えられている。
発見されたK/Pg境界層
研究チームが発見したのは、白亜紀とその後の古第三紀の境目を示す「K/Pg境界層」と呼ばれる地層。北海道浦幌町の川流布川支流の岸辺で、小惑星に多く含まれる貴金属イリジウムが高濃度で含まれ、オスミウムの同位体比が小惑星起源の特徴を示す層を確認した。
この発見には約10年の歳月がかかった。チームは川の中を移動しながらサンプリングを繰り返し、地道な調査の末に目的の地層にたどり着いた。発見地点から約4キロ離れた場所でも同様の地層が確認されており、広範囲にわたって小惑星衝突の影響が及んでいたことが示唆される。
意義と今後の研究
今回の発見は、東アジア・北西太平洋地域におけるK/Pg境界層の地球化学的証拠としては初めて。これにより、小惑星衝突が地球規模でどのような影響を及ぼしたのか、より詳細な解明が進むと期待される。研究チームは今後、この地層からさらに詳しい情報を引き出し、絶滅のメカニズムやその後の生態系の回復過程を明らかにしたいとしている。



