岡山理科大元教授が40年かけて収集した古生物・恐竜切手5000点を寄贈
岡山理科大学生物地球学部の元教授である西戸裕嗣さん(74歳)が、約40年という長い年月をかけて収集した古生物や恐竜の化石などをデザインした切手約5000点を同大学に寄贈しました。この貴重なコレクションは、現在、同大学で一部が公開されており、来月30日まで展示が続けられています。西戸さんは、「恐竜や古生物、切手に興味を持つきっかけになればうれしい」と語り、教育や研究への貢献を期待しています。
コレクションの始まりと発展
西戸さんが切手収集を始めたのは大学院生時代のことです。米国に滞在していた研究者から論文を送ってもらった際、封筒に貼られていた鉱物をデザインした切手に強い印象を受けました。「日本では見たことがない。こんな切手もあるのか」という驚きが、コレクターとしての道を歩むきっかけとなりました。
当初は鉱物の切手を中心に集めていましたが、1980年からは米国の郵趣協会に入会し、ニュースレターを通じてアンモナイトや三葉虫などの古生物化石や恐竜の切手にも関心を広げました。定年退職を迎えた2020年までに、収集した切手は約5000点に達し、その中には1951年にインドで発行されたゾウの仲間「ステゴドン」の切手や、1973年に日本で初めて発行された化石切手であるサンゴの切手など、希少性の高いアイテムも多数含まれています。
世界的にも類を見ないコレクションと評価
西戸さんは、単に切手を集めるだけでなく、発行された歴史的背景なども研究し、資料としてまとめてきました。この点について、切手の博物館(東京)の田辺龍太学芸員は、「これだけ多くの古生物や恐竜の切手を整理したコレクションは世界的にも類を見ないのではないか。文献として価値がある」と高く評価しています。
しかし、コレクションが増えすぎて保管に困った西戸さんは、退職と同時に収集をやめ、適切な管理ができる寄贈先を探していました。退職後も同大学古生物学・年代学研究センターの客員研究員として勤務していた縁から、同大学が受け入れることを決めました。
展示と今後の活用
現在、岡山理科大学の恐竜学博物館では、寄贈されたコレクションの一部が展示されています。同館の石垣忍名誉館長は、「学問の裾野を広げる貴重な資料であり、古生物や恐竜に興味を持つきっかけになる」と述べ、貸し出しも検討していることを明らかにしました。
西戸さんは、お気に入りの切手として、1965年にサンマリノで発行された「透かし」が施された恐竜切手を挙げ、「恐竜の化石も発掘されていない小さな国で、切手では珍しい偽造防止までして発行していることがおもしろい」と語っています。また、「切手になじみのない世代も増えていると思うので、ぜひその魅力に触れてほしい」と来場を呼びかけ、若い世代への啓発にも力を入れています。



