生成AIで廃棄食品を肥料に、NECと東北大が実証実験を開始
生成AIで廃棄食品を肥料に、NECと東北大が実証実験

NECと東北大学は、生成人工知能(AI)を活用し、廃棄食品を効率的に肥料へと変換する実証実験を2025年5月19日に開始したと発表した。この取り組みは、食品ロスの削減と循環型社会の実現を目指すもので、生成AIが発酵プロセスを最適化することで、従来よりも高品質な肥料を短期間で生産できる可能性がある。

実証実験の概要

実証実験は、NECが開発した生成AIプラットフォーム「NEC Generative AI Platform」と、東北大学大学院農学研究科が保有する食品廃棄物発酵技術を組み合わせて行われる。具体的には、スーパーマーケットや飲食店から排出される野菜くずや調理残渣などを原料とし、AIが温度、湿度、微生物の種類などの発酵条件をリアルタイムで分析・調整する。これにより、従来は熟練者の経験に頼っていた発酵管理を自動化し、安定した肥料生産を可能にする。

生成AIの役割

生成AIは、過去の発酵データや気象データ、原料の特性などを学習し、最適な発酵条件を自律的に提案する。また、発酵途中の状態をセンサーでモニタリングし、必要に応じて条件を修正することで、品質のばらつきを抑制する。NECの担当者は「生成AIの予測モデルにより、発酵期間を従来の約3分の2に短縮できる見込み」と説明する。

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期待される効果

  • 食品ロスの削減:日本では年間約600万トンの食品廃棄物が発生しており、その多くが焼却処分されている。肥料化により、廃棄物の有効利用が進む。
  • 環境負荷の低減:化学肥料の代替として利用することで、製造時のCO2排出量削減につながる。
  • 農業の持続可能性向上:安価で安定した有機肥料の供給が可能になり、農業生産者のコスト削減に寄与する。

今後の展開

実証実験は、仙台市内の食品加工事業者と連携し、2026年3月まで実施される予定。その後、技術の実用化を目指し、2027年度内の事業化を計画している。NECと東北大学は、生成AIを活用した廃棄物処理システムの社会実装を推進し、持続可能な社会の構築に貢献したいとしている。

今回の取り組みは、政府が推進する「食品ロス削減目標」や「循環経済戦略」にも合致するものであり、他の自治体や企業からの関心も高い。今後の成果が期待される。

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