東京都は19日、新たな人工知能(AI)活用戦略を発表した。行政サービスの効率化や市民生活の向上を目指し、2027年度までに約300億円を投資する方針を示した。戦略の柱は、生成AIの積極的な活用や、データ連携基盤の構築などとなっている。
戦略の背景と目的
都は、少子高齢化や人口減少が進む中で、限られた資源を最大限に活用する必要があると指摘。AI技術を活用することで、行政の生産性を向上させるとともに、市民に質の高いサービスを提供することを目指す。また、AI関連産業の育成や、都内企業の競争力強化にも貢献するとしている。
具体的な取り組み
戦略では、以下の4つの重点分野を設定した。
- 行政サービスの高度化:生成AIを活用した窓口業務の自動化や、問い合わせ対応の効率化を図る。また、AIによる文書作成支援や、業務の標準化を推進する。
- データ連携基盤の構築:都内の各局や区市町村が持つデータを連携し、AIによる分析を可能にする基盤を整備。防災や福祉、交通などの分野で、より効果的な施策を実現する。
- AI人材の育成:都職員向けのAI研修を拡充し、AIを活用できる人材を育成。また、都内の大学や企業と連携し、AI技術者の育成にも取り組む。
- 産業振興とスタートアップ支援:AI関連のスタートアップ企業への支援を強化。都内でのAI技術の実証実験を促進し、新たなビジネス創出を後押しする。
投資計画
都は、2025年度から2027年度までの3年間で、約300億円を投資する計画。このうち、データ連携基盤の構築に約100億円、生成AIの導入・運用に約80億円、人材育成に約50億円、産業振興に約70億円を充てる見通し。
小池百合子知事は記者会見で、「AIは社会のさまざまな課題を解決する鍵となる。東京都が率先してAIを活用し、日本全体のデジタル化を牽引していく」と述べた。
今後のスケジュール
都は、2025年度中にデータ連携基盤の基本設計を完了し、2026年度から一部の業務で生成AIの試験運用を開始する。2027年度までに、全庁的なAI活用体制を確立する方針。
また、戦略の進捗状況を定期的に公表し、必要に応じて見直しを行うとしている。



