ドラマに宿る作り手の衝動、『ラムネモンキー』で蘇る80年代カルチャーとテレビの魅力
作り手の衝動が生むドラマの魅力、『ラムネモンキー』で再評価

作り手の衝動がテレビドラマに新たな息吹を吹き込む

先日、アニメ『おしりたんてい』を視聴していた際、怪盗団の一人・かいとうJの食事シーンが、1970年代の伝説的ドラマ『傷だらけの天使』のオープニングで萩原健一が演じたショーケンを真似ていることに驚かされた。このドラマは当時、熱狂的な支持を集め、特にそのオープニングは語り草となっている。しかし、50年以上も前の作品であり、現代の子どもたちやその親世代にとってはほとんど知られていないだろう。それでも、作り手がこのような真似を敢行する衝動には、思わず頬が緩んでしまう。

冬ドラマの終盤で感じる作り手の体温

1月にスタートした冬ドラマも、気がつけば終盤に差し掛かっている。今期、特に面白く視聴している作品としては、『テミスの不確かな法廷』、『冬のなんかさ、春のなんかね』、『未来のムスコ』、『俺たちバッドバーバーズ』、そして『ラムネモンキー』などが挙げられる。すでに最終回を迎えた『嘘が嘘で嘘は嘘だ』や『探偵さん、リュック開いてますよ』も、高い評価を得ている。

今期のドラマを観察すると、完成度の高さ以上に、作り手の体温がにじみ出る作品が多いことに気付く。物語の設定や台詞の端々から、「これをやりたかったんだ」という強い意志が伝わってくる。まさに「作り手の内なる衝動」を感じさせるのだ。

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『探偵さん、リュック開いてますよ』で感じる父子の絆

例えば、『探偵さん、リュック開いてますよ』は、小さな田舎町・西ヶ谷温泉を舞台に、松田龍平が演じる探偵兼発明家・一ノ瀬洋輔が、ヘンテコな依頼をゆるく解決する物語だ。松田龍平が探偵役を演じるとなれば、父・松田優作の代表作『探偵物語』を意識せずにはいられない。このドラマを企画したのが本人であると聞けば、その思いはさらに強まる。最終回では、夢か幻か、主人公が父と再会する感動的な場面が描かれた。「洋輔、よく頑張ったな」と頭をなでられ、「お父さん。俺、ただ、あなたに褒められたくて……」という台詞に、視聴者の胸は熱くなった。

『ラムネモンキー』で蘇る80年代のカルチャー

もう一つの注目作、『ラムネモンキー』も、思い入れがたっぷりと込められたドラマだ。中学時代に映画研究部でカンフー映画を作っていた3人が、51歳になって再会し、失踪した顧問マチルダの謎を追う物語である。キーワードは1988年で、3人のあだ名がユン・ピョウ、ジャッキー・チェン、サモ・ハン・キンポーに由来していたり、マチルダがアニメ『機動戦士ガンダム』のキャラクターを彷彿させる服装をしていたりと、細部にまでこだわりが感じられる。

ジェイソン、妖怪人間ベム、レンタルビデオ屋、ウォークマンなど、当時のカルチャーが次々と顔を出す。主演の反町隆史、大森南朋、津田健次郎、そして脚本の古沢良太も同世代であり、彼らでなければ生まれなかった作品と言えるだろう。

チームライティングと個人の衝動のバランス

近年では、複数の脚本家が物語を練り上げる「チームライティング」が増加している。この方法は合理的であり、安定した作品を供給できる可能性がある。しかし、いびつであっても、ある人にとっては40点の作品が、別の誰かには100点、いやそれ以上の生涯忘れられない一本になることもある。

50年前のドラマを思わず真似したくなるような衝動が、テレビを面白くしてきたのではないか。作り手の内なる情熱が、視聴者に深い感動をもたらし、テレビドラマの新たな可能性を拓いている。

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