「特撮の神様」円谷英二監督の生涯を朝ドラに 故郷・須賀川市が誘致活動を本格化
「特撮の神様」として世界的に知られる故・円谷英二監督を主人公とした物語を、NHK連続テレビ小説(朝ドラ)に採用してもらおうという動きが、監督の出身地である福島県須賀川市で活発化しています。地元経済界を中心に、市や関係機関が一体となった誘致活動が新年度から本格的に始動します。
朝ドラにふさわしい人間ドラマと妻の支え
須賀川商工会議所の鈴木和幸副会頭は、市内で開催された議員交流懇談会において、円谷監督の生涯について熱く語りました。「円谷監督の人生には、数々の困難を乗り越えた人間ドラマや、妻マサノさんの内助の功など、朝ドラに適したエピソードが豊富にあります」と強調しました。
鈴木副会頭は、円谷監督を題材とした著書を持ち、講演活動も行っています。その中で、波乱に富んだ監督の生涯や、彼に影響を与えた人物関係などを詳しく解説。特に、浪費家の一面もあった円谷監督を献身的に支えた妻マサノさんに言及し、撮影で帰宅が遅くなっても好物のお茶漬けを用意して待っていたという心温まる逸話を紹介しました。
世界的な功績と地域活性化への期待
円谷英二監督は、特殊撮影技術を駆使して「ウルトラマン」シリーズや「ゴジラ」に代表される怪獣映画など、数々の名作を世に送り出しました。昨年11月には、日本人として初めて米国視覚効果協会(VES)の生涯功労賞に相当する殿堂入りを果たし、その世界的な評価が改めて確認されました。
この受賞を契機に、朝ドラの主人公としてふさわしい人物であるとの認識が地元で高まり、誘致活動が具体化しました。須賀川商工会議所は今月下旬に開催する議員総会において、新年度からの本格的な誘致活動を正式に承認する予定です。
数年がかりの取り組みと具体的な活動計画
誘致活動には数年を要すると見込まれており、初年度は青年部がNHK福島放送局を訪問して直接要望を行う計画です。また、商工会議所を中心に誘致推進組織を設立し、福島市出身の作曲家・古関裕而と妻・金子をモデルとした朝ドラ「エール」の誘致に成功した福島商工会議所などの事例から学ぶ方針です。
須賀川市は、円谷監督の古里として「特撮文化」を地域おこしの核に据えてきました。特撮に関する貴重な資料の収集・保存・研究を通じ、文化の継承と振興に努めています。今年は円谷監督が1966年に「ウルトラマン」を生み出してから60年の節目に当たり、円谷プロダクション(東京都)も「ウルトラマンシリーズ60周年プロジェクト」を展開中です。
地域一体となった前向きな取り組み
菊地大介会頭は、「朝ドラ誘致を通じて、須賀川の街に明るい話題をもたらしたいと考えています。地域資源を最大限に生かし、地域活性化につなげるため、地域全体が一体となって取り組んでいきます」と意気込みを語りました。またとない好材料を追い風に、郷土の偉人を全国に発信する絶好の機会を掴もうとする地元の熱意が感じられます。
