福岡高裁は11日、酒気帯び運転をして懲戒免職となった福岡市消防局の元係長の男性(60歳代)が、処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、1審・福岡地裁判決を取り消し、原告側の請求を棄却した。岡田健裁判長は、市が残り酒の危険性について繰り返し指導してきたことを重視し、処分は妥当と判断した。
事件の経緯
男性は2023年10月、飲酒した翌日に福岡市内で道路交通法違反(酒気帯び運転)の疑いで摘発され、懲戒免職処分を受けた。1審判決では、男性が運転時に体内にアルコール分が残っていないと認識していたとして、処分は違法と判断されていた。
高裁の判断
控訴審判決では、2006年に福岡市の海の中道大橋で、市職員(当時)の飲酒運転が原因で3人の子どもが犠牲になった事故を契機に、市が具体的なアルコール量を示した研修を実施してきた点を重視。例えば、ビール中ジョッキ1杯や焼酎お湯割り2杯でアルコールが分解されるまで15時間以上かかることなどが指導されていた。これらを踏まえ、男性は「酒気を帯びながら運転していたと認識していた」と認定し、処分を違法とは言えないと結論づけた。
市のコメント
福岡市消防局は「06年の事故以後の市職員が置かれた立場が考慮され、処分の適法性が認められたと考えている」とのコメントを発表した。



