わたせせいぞうの世界展、手塚治虫記念館で開催 ギャグ漫画からカラフルな男女像まで半世紀の軌跡
わたせせいぞう展、手塚記念館で開催 半世紀の作風変遷を紹介

わたせせいぞうの世界展、手塚治虫記念館で開催 半世紀の創作活動を振り返る

漫画家・イラストレーターとして半世紀にわたり活躍するわたせせいぞうさん(81)の作品を集めた企画展「わたせせいぞうの世界展~手塚ワールドとの出会い~」が、兵庫県宝塚市の市立手塚治虫記念館で開催されています。洗練された男女像をカラフルに描く作風で知られるわたせさんの創作の軌跡を、貴重な原画や資料を通じて紹介しています。

ギャグ漫画から恋愛テーマへ 作風の変遷をたどる

わたせさんは神戸市生まれ。早稲田大学卒業後、サラリーマンとして働きながら漫画家としてデビューしました。出世作となった「ハートカクテル」の連載を機に創作活動に専念。情報誌「ぴあ」の表紙絵や企業ポスターなど、恋愛をテーマにした都会的なタッチのイラストで広く人気を集めました。

今回の展示では、カラー漫画の先駆けとなった「ハートカクテル」の原画や下描きを中心に展示。さらに、京都の女性と東京の男性の遠距離恋愛を描いたシリーズのイラストも公開されており、祇園祭や川床、東京タワーなどが鮮やかに描かれた作品が目を引きます。

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手塚治虫との深い関わり 少年時代の憧れから共演まで

わたせさんは少年時代から手塚治虫作品に親しみ、鉄腕アトムなどのキャラクターを模写するなど強い影響を受けていました。漫画家として独立後、出版社のパーティーで手塚氏本人に挨拶したこともあるものの、緊張のあまり詳細は覚えていないと語っています。

興味深いことに、わたせさんの初期作品であるギャグ漫画「刑事くん」に登場する警察犬の名前は「アトム号」。手塚作品へのオマージュが感じられます。また、2015年には阪急電鉄がわたせさんのイラストを基にしたラッピング電車を神戸線で、手塚作品のキャラクターをモチーフにした車両を宝塚線で運行し、両者の「共演」が実現しました。

特別描き下ろし作品「アトムのロマン」に込められた思い

今回の企画展のために、わたせさんは特別にイラスト「アトムのロマン」を描き下ろしました。手塚治虫記念館を背景に、白馬に乗るカップルを配したこの作品には、少年時代からの尊敬の念が込められています。

「少年の頃、手塚先生の漫画に夢中になりました。あの時の少年が今の僕を見たらどう思うのか、想像すると大変幸せです」とわたせさんは語ります。手塚作品のしなやかな馬の描写に憧れ、長年にわたり模写を重ねてきた経験が、この作品に生かされています。

作品にはアトムやブラック・ジャックら手塚作品のキャラクターも後ろ向きに描かれており、「正面を描くのは先生で、僕は控えめにしました」と笑顔で説明しています。

展示会の詳細と関連イベント

「わたせせいぞうの世界展~手塚ワールドとの出会い~」は6月7日まで開催されています。月曜日は休館ですが、4月6日と5月4日は開館。入館料は大人700円などとなっています。

関連イベントとして、向かいの宝塚市立文化芸術センター・キューブホールでは4月8日から19日まで(13日休館)、わたせさんの版画展が開催されます。4月11日にはサイン会も予定されています。

展示会に関する問い合わせは手塚治虫記念館(0797-81-2970)まで。漫画家としての半世紀にわたる歩みと、憧れの手塚作品との深い関わりを感じられる貴重な機会となっています。

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