広瀬すず「圧倒的高揚感」野田秀樹70歳の新作「華氏マイナス320°」科学と命の尊厳描く
劇作家で演出家の野田秀樹(70)による新作舞台「華氏マイナス320°」が、2026年4月10日から5月31日まで、東京・池袋の東京芸術劇場プレイハウスで上演される。この作品は、人間が進歩させた科学が、誤った認識や歪んだ倫理観によって、命の尊厳を脅かす可能性を描き出す。出演者には俳優の広瀬すず(27)が名を連ね、野田作品への再出演に「高揚感が圧倒的です」と喜びを語っている。
野田秀樹「人間にとって命は不可解なもの」
野田秀樹は本作について、「人間にとって命は不可解なもの」と語り、科学と命の複雑な関係性に焦点を当てた。近年の野田作品は、シベリア抑留や日航ジャンボ機事故、拉致問題、原爆投下など、重い社会的テーマを扱ってきたが、本作も同様の傾向を持つ。昨年12月に70歳を迎えた野田は、「終わりがありますから」と年齢を意識しつつ、「一作一作が遺作という思いでぶつかる。表現者として怠けてはいけない」と力強く述べた。
広瀬すず「舞台が好きだと思えた」野田作品への思い
広瀬すずは、野田作の「『Q』:A Night At The Kabuki」で初舞台を踏み、本作はその再演以来の舞台となる。広瀬は「今までにない経験で楽しくて『舞台が好きだ』と思えた」と振り返り、今回の出演に際しては「高揚感が圧倒的です」と笑顔で語った。物語は現代の化石発掘現場から始まり、中世や古代を行き来する展開で、広瀬は複数の役柄を演じ分ける。
野田秀樹、広瀬すずの才能を高く評価
野田は広瀬について、「稽古初日は映像の人として帰ってきたって感じだったが、すぐに舞台女優になった」と評価し、「打てば響く勘の良さがある」と才能を称えた。特に、人間ではない役を演じる一人芝居のような場面で、苦労するかと思ったが「あっさりと乗り越えた」と驚きを交えて語った。
作品の詳細と今後の展開
本作の物語は、現代の化石発掘現場から始まり、「謎の骨」を捜す過程で中世や古代を行き来する。出演者は広瀬すずのほか、阿部サダヲ(55)、深津絵里(53)、野田秀樹自身らが複数の役柄を演じ分ける。野田作品らしい言葉遊びや詩情あふれるせりふも豊富に盛り込まれている。共演者には大倉孝二(51)、高田聖子(58)、川上友里(45)、橋本さとし(59)、橋爪功(84)らが名を連ねる。
また、本作は7月にロンドンでも上演される予定で、広瀬は「命についての作品がどう観客に届くか楽しみ」と目を輝かせた。野田は「ものを作る人間としてロンドンの観客にさらさないと」と意義を強調し、「今までで一番複雑な作品かもしれない」とつぶやいた。各回では当日券も販売される。



