女優の清原果耶が出演する舞台「レディエント・バーミン Radiant Vermin」が、6月8日に東京で開幕する。2024年に読売演劇大賞・杉村春子賞(新人賞)を受賞した対象作「ジャンヌ・ダルク」以来の舞台となる。笑いと驚きに満ちた作品の魅力と意気込みを聞いた。(編集委員 祐成秀樹)
「試練が待ち受けていると想像しつつも、やるしかない」
「ジャンヌ・ダルク」は出演者100人超の大作だったが、今回は井之脇海、池津祥子と3人だけで膨大なせりふをテンポよく交わす。困難に挑む理由は、前作同様に白井晃が演出すること、そして舞台が好きになったことだ。「毎日集まり、同じ場面を何度も繰り返して稽古するのは、すごく贅沢な時間。その体験をまたできるのは、勉強になるだろうなと思いました」と清原は語る。
作品の魅力:人間の暴力性を描くブラックコメディー
挑むのは、人間の暴力性を描く英劇作家フィリップ・リドリーの2015年初演のブラックコメディー。題名は「光る害獣」などという意味だ。貧しく若い夫婦ジル(清原)とオリー(井之脇)の元に、役所の担当者だというミス・ディー(池津)から「家を差し上げます」という手紙が届く。引っ越した2人は新居の「残酷な秘密」を知ってしまい、秘密の行為を重ねて家を豪華にリフォームする。
「ずっとしゃべってる」というのが脚本の第一印象だったが、読むうちに引き込まれた。「ジルとオリーが罠にはめられて欲望に狂っていくお話だと思うんですが、読んだ私も罠にはめられていく感覚になりました」と清原は振り返る。
観客も清原らの演技を笑ううちにはまり、驚かされそうだ。「夫婦が罪悪感に駆られながらもやめられないところまでいくさまを面白いなと思って見ていると、最後に問いかけが返ってくる。『あれ自分たちのことを話してたの? ウソッ?』みたいに感じられる方もいるのでは」と語る。
膨大なせりふへの対策:「毎日しっかり寝てます」
楽しく稽古に臨みつつも、悩ましいのは膨大なせりふだ。周囲に記憶法を質問すると、「寝ることだよ」と助言された。「7時間は眠った方がいい、と。毎日しっかり寝て、サクッと起きてます」。演出の白井も頼もしい。「お客さんに伝えたいせりふの意味、乗せてしゃべる色を教えてくださる。毎日メモをしながら考えてます。奇跡でうまくいくことは絶対ない。着実に丁寧に進むことを心がけてます」と気を引き締める。
すがすがしい輝きを放つ24歳
すがすがしい輝きをテレビドラマや映画で放つ24歳だ。絶賛された「ジャンヌ・ダルク」は初舞台。受賞により、演技力と存在感が改めて注目された。「喜びだけでなく、責任感やプレッシャーを抱きました」というが、前向きなエネルギーに変換した。「いただいた役や作品に向き合って理解を深めて、どんどん演劇を好きになっていけたらいいなと思っています」と語る。
「レディエント・バーミン」は7月5日まで、東京・三軒茶屋のシアタートラムで上演。



