1963年の倉吉市を舞台にした映画「遥かな町へ」が10月9日に全国公開される。倉吉市はこの映画を観光や経済振興に活用するため、「ノスタルジックリゾート倉吉」という新たなブランドを打ち出し、欧米からの長期滞在旅行者の誘致を本格化させる。また、映画と同じ昭和時代をテーマにした写真と人形の企画展を秋に開催し、機運を高める。
映画「遥かな町へ」とは
本作は、鳥取市出身の漫画家・谷口ジローさん(1947~2017年)の同名漫画が原作。故郷の倉吉市を訪れた48歳の主人公が、大人の心のまま14歳の中学生時代にタイムスリップするというストーリーだ。監督は島根県出雲市出身の錦織良成さん(64)、主演は俳優の大谷亮平さん(45)。昨年、倉吉市の観光名所である白壁土蔵群で主要なロケが行われた。
「ノスタルジックリゾート倉吉」ブランド
市観光交流課によると、谷口さんの作品はフランスなど欧米で高く評価されている。また、白壁土蔵群のレトロな町並みを気に入って長期滞在する欧米人もいることから、市は欧米をターゲットにしたブランドとして「ノスタルジックリゾート倉吉」を展開することを決定した。
今後は、欧米からの長期滞在旅行者が好む観光スタイルや、市の魅力ある観光資源を調査する。具体的には、市内に住む欧米人に祭りや伝統行事に参加してもらい、住民との交流体験の満足度を検証する。これらの結果を踏まえ、今年度中にブランドの背景や目指す姿をまとめた冊子を作成する。体験や交流プログラムは観光商品化を目指す。
さらに、白壁土蔵群以外のロケ地を紹介する「巡礼マップ」を作成し、スマートフォンをかざすだけで多言語情報が表示されるシステムを整備する。映画やドラマのロケ誘致を行うフィルムコミッションの将来設立に向けた準備も進める。
同課の担当者は「映画をきっかけに、市民が倉吉の美しい町を残したいと思うようになり、そこに欧米の人々が滞在し、消費が増えて活性化する。そんなサイクルを創りたい」と話している。
企画展「タイムトラベルSHOWA」
企画展は「タイムトラベルSHOWA」と題し、10月24日から11月29日まで倉吉博物館で開催される。今年は昭和元年(1926年)から起算して100年にあたることから、昭和を振り返り、現代社会が見失いがちな家族の絆や地域のつながりを再考する機会とする。
展示内容は、倉吉市出身の写真家・高木啓太郎さん(1916~97年)が昭和の日常生活や年中行事を撮影した写真、米子市在住の創作人形作家・安部朱美さん(76)が「昭和の家族」をテーマに制作した人形作品など。また、谷口さんが「遥かな町へ」を描く際に同博物館を通じて提供を受けた高木さんの写真も紹介される。



