福島11市町村の帰還率は2割、大熊町では移住者が7割を占める新たなまちづくりが進行
福島11市町村帰還率2割、大熊町移住者7割で新たなまちづくり

福島11市町村の居住人口、震災前の2割に留まる現状

東京電力福島第一原子力発電所事故により避難指示が発令された福島県内の11市町村において、現在の居住人口が約1万8000人に過ぎず、事故発生前の水準のわずか2割程度に留まっていることが、各自治体への取材を通じて明らかとなりました。東日本大震災から間もなく15年を迎える中、多くの住民が避難先での生活に定着していると見られています。

避難指示解除の時期と帰還率の顕著な差

これらの11市町村では、震災から3年後の2014年4月から2022年8月にかけて、段階的に避難指示が解除され、住民の帰還が始まりました。しかしながら、避難指示区域の居住人口は、震災当時の8万8330人から今年1月から2月時点で1万7818人へと大幅に減少しています。

居住人口の回復率は、避難指示の解除が早期に行われた地域ほど高い傾向が確認されています。例えば、2015年9月に町内全域で解除された楢葉町では、現在4436人が居住しており、震災前の人口に対する割合は55.4%と最も高い回復率を示しています。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

一方で、避難指示の解除が比較的遅れた大熊町と双葉町では、帰還した住民の数が極めて少ない状況です。大熊町では、住民帰還を伴う一部解除が2019年4月に行われましたが、居住人口は1086人で震災前の9.4%に留まっています。さらに、最も遅く2022年8月に解除された双葉町では、居住人口が193人と震災前の2.7%しか戻っていません。

大熊町と双葉町における移住者の増加と新たなまちづくり

興味深いことに、大熊町と双葉町では、避難先から戻った帰還者と新たに移住してきた住民の数が逆転する現象が起きています。具体的には、居住者から帰還者を差し引いた移住者の数は、大熊町で約748人と住民の約7割を占め、双葉町でも104人と5割強に上っています。

大熊町では、2023年に小中一貫の義務教育学校が開校したことが大きな転機となりました。この教育環境の整備が魅力となり、教育目的での移住者が増加し、新住民による活発なまちづくりが進展しています。従来の帰還促進に加えて、移住者を中心とした新たなコミュニティ形成が注目されています。

帰還困難区域の現状と今後の見通し

福島県内には、現在も放射線量が高く居住が不可能な「帰還困難区域」が7市町村に残されています。環境省は、帰還を希望する住民がいる地域を中心に除染作業を継続しており、2026年度から順次、避難指示の解除が行われる見通しです。これにより、さらなる住民の帰還や地域の再生が期待されています。

全体として、福島の被災地では、時間の経過とともに帰還と移住が複雑に絡み合い、新たな地域社会の構築が模索されている状況です。震災から15年を経て、復興の道筋は多様化し、各自治体が独自の課題と向き合いながら未来を切り開こうとしています。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ