北九州市の推計人口が初めて90万人を割り込んだことが28日、明らかになった。その基となる2025年国勢調査の速報値も公表され、昨年10月1日時点の市の人口は90万4289人で、前回の2020年国勢調査から3万4740人(3.7%)減少し、人口減少に拍車がかかっている現状が浮き彫りとなった。
移住者が語る街の魅力と課題
約15年前に東京から北九州市に移住し、八幡東区の枝光本町商店街で地域振興に携わる吉田夏帆さん(38)=若松区在住=は「街として再生していく余白はたくさんある」と語る。
ベッドタウン育ちが感じた新鮮な風土
東京都西東京市出身の吉田さん。ベッドタウンで育ったため、製鉄業をはじめとする地場産業がしっかりと根差した街の風土は新鮮だったという。「様々な地域から集まった労働者で成り立ってきた地域だからこそ、よそから来た人にも温かいところが魅力。移住者がまちづくりに関わりやすい」と語る。
商店街の現状と取り組み
鉄の街として栄えてきた八幡地区にある同商店街には「八幡の台所」といった楽しげな看板もあるが、近隣の製鉄所の規模縮小や商店主の高齢化などに苦しむ。最盛期には100店舗以上が商店街組合に加盟していたが、現在は16店舗となり、通りにはシャッターを下ろした店が目立つ。
その組合で広報を担当する吉田さんは、近隣の商業施設やまちづくり団体と連携し、定期的に夜市などを開催している。「人口が減っていっても、今いる人たちの生活を守っていくことが大切。その中で商店街もしっかりと存在感を示していきたい」と笑顔で話した。
北九州市の人口減少は依然として深刻だが、吉田さんのような移住者が地域振興に積極的に関わることで、商店街の再生に向けた新たな可能性が見えてくる。今後の取り組みが注目される。



