鳥取県が干支にちなみ「馬取県」に改名、ユニークなPRで観光活性化を図る
2026年、鳥取県は本年が干支の「午(うま)」であることにちなみ、一時的に「馬取県(まっとりけん)」への改名を発表した。平井伸治知事が1月に明らかにしたこの改名は、過去に「蟹」や「星」などに続く6度目の試みであり、年始に発生した地震による風評被害を払拭し、観光振興を促進するための戦略の一環として位置づけられている。
馬にまつわる観光名所を活用したスタンプラリーを実施
鳥取県内には、馬に関連する観光スポットが数多く存在する。代表的なものとして、鳥取砂丘(鳥取市)の「馬の背」や大山乗馬センター(大山町)、さらには三冠馬「コントレイル」を育成した競走馬トレーニングセンター「大山ヒルズ」(伯耆町)などが挙げられる。また、米子市の天神垣神社には、本州で唯一頭部も含む完全な形で発見され、国の重要文化財に指定された「石馬」が保管されている。
県はこれらの馬にちなむ8か所を巡るスタンプラリー「午ンプラリー」を2月から開始した。参加者には抽選で鳥取和牛や二十世紀梨、牛骨ラーメンセットなどの特産品が贈られる予定で、観光客の誘致を後押しする仕組みとなっている。
知事の巧みなアピールと職員のコスチューム着用で話題を集める
平井知事は、改名発表に際して巧みなPR活動を展開している。1月14日の定例会見では、「書き初めで『鳥』と『馬』の区別がつかない字を書いたことがきっかけで、いっそのこと『馬取県』にしようと思った」と冗談交じりに説明し、県内テレビ局で冠番組を持つお笑いコンビ「ガンバレルーヤ」を起用。2人を馬取県の応援団長「ガンバレウーマ」に任命するなど、迅速な動きを見せた。
さらに、改名を公式X(旧ツイッター)で報告したところ、約1か月間で13万インプレッションを記録するなど、SNS上でも大きな反響を呼んだ。1月26日には、県広報課の職員が馬のかぶり物やコスチュームを着用して勤務し、谷口健一課長が「年明けの地震や大雪が続いたが、馬取県を楽しく盛り上げていこう」と呼びかけるなど、職員一体となった取り組みが行われている。
地震と大雪の影響を乗り越え、観光回復へ向けた取り組み
1月6日に県西部で最大震度5強を記録した地震に加え、今月は大雪による公共交通機関の運休が相次ぎ、旅館やホテルの宿泊キャンセルが発生するなど、観光業に深刻な影響が出ている。平井知事は「県内には馬の名所が実はたくさんある。ぜひ多くの人たちを、馬取県で〈まっとり〉ます」と述べ、改名を通じて観光客の呼び込みを強化する姿勢を示している。
この改名プロジェクトは、単なる一時的な話題作りではなく、地域の魅力を再発見し、困難な状況下でも前向きなメッセージを発信することを目的としている。鳥取県は、ユニークなアイデアと実行力で、観光産業の回復と地域活性化を目指す取り組みを続けていく方針だ。



