佐渡汽船の船内食堂が半世紀の歴史に幕 観光客減少と採算悪化で27日営業終了
佐渡汽船の船内食堂が27日で営業終了 半世紀の歴史に幕 (24.02.2026)

佐渡汽船の船内食堂が半世紀の歴史に幕 観光客減少と採算悪化で27日営業終了

新潟と佐渡を結ぶカーフェリーの船内で、半世紀以上にわたり観光客や島民に親しまれてきた食堂が、歴史に幕を閉じることになりました。佐渡汽船が運航する「おけさ丸」と「ときわ丸」の船内食堂は、経営合理化のため2月27日をもって営業を終了します。

営業終了する食堂とその歴史

営業を終了するのは、「ときわ丸」の「麺処ときわ」と「おけさ丸」の「麺処おけさ」です。両食堂は、新潟市と佐渡市を結ぶ新潟―両津航路で運航されているカーフェリー内に設置されており、1970年代初頭から営業を続けてきました。

特に、佐渡の海草を使用した「ながもそば」は長年にわたり人気を博してきたメニューでした。食堂では、食券を券売機で購入し、テーブルが置かれたスペースで飲食できるシステムが採用されていました。

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ご当地メニューと地域との関わり

メニューには、皿の中央に島をかたどったご飯を盛り付けた「佐渡ヶ島カレーライス」や、佐渡の海産物を活かした「岩のり醤油ラーメン」など、地元の味を楽しめる料理が並んでいました。コーヒーや生ビールも提供され、船旅の楽しみの一つとなっていました。

さらに、地元の中学生が企画したメニューも商品化されていました。佐渡の海洋深層水を煮詰めて作られた「佐渡ヶ塩」を使用したポテトフライは、数年前から販売され、地域との結びつきを強めてきました。

営業終了の背景と関係者の声

営業終了の背景には、観光客の減少島民の高齢化による人口減少が大きく影響しています。旅行の主流が団体から個人へと変化し、旅客輸送の3分の1を占める島民も減少したことで、採算が厳しくなりました。

加えて、新型コロナウイルス禍により船内での飲食需要が低下し、船内売店の縮小や無人化などの効率化を進めてきましたが、有人営業の維持は困難になったとされています。

「佐渡ヶ塩」を特産品として扱う海産物加工販売「菊池商店」の代表、菊池高根さん(62)は、「正直残念ですが、売店の強化など違う方向で頑張ってほしい」と営業終了を惜しんでいます。

今後のサービス転換方針

佐渡汽船は今後、新潟港内へのベーカリーカフェ新設や、船内の自動販売機の拡充など、サービス形態の転換を進める方針です。同社の本間一行・商事部長は、「有人食堂という形での提供は一度幕を閉じますが、船内と陸上の両面で『食の楽しみ』を柔軟に提供したい」と語っています。

半世紀以上にわたり船旅の味覚を支えてきた食堂の営業終了は、地域の観光や交通の変化を象徴する出来事となりそうです。

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