日田玖珠地域産業振興センターが3月末で解散 ネット通販普及で売り上げ低迷
大分県日田市と玖珠町、九重町の地場産品のPRや販売を担ってきた公益財団法人「日田玖珠地域産業振興センター」(日田市三本松2、理事長=椋野美智子・日田市長)が、2026年3月末をもって解散することが明らかになりました。ネット通販の普及などによる影響で売り上げが低迷し、近年はピーク時の半分ほどに落ち込んでいたことが背景にあります。センターの建物内にある展示即売場は一足早く、3月15日に閉店します。
設立から約45年の歴史に幕
法人としてのセンターは、現在の3市町と大分県、日田商工会議所などが資金を出し合って1981年に設立されました。翌年の1982年にオープンした建物は鉄筋コンクリート3階建てで、延べ床面積は3884平方メートルに及びます。1階には特産の下駄や家具、小鹿田焼をはじめ、多様な工芸品や農産加工品を集めた展示即売場が設けられていました。また、展示場や会議室などの貸館事業も手がけてきました。
売上高の推移と赤字状況
売上高は1998年度の約9400万円がピークでしたが、近年は約5000万円と低迷が続いていました。特に2024年度には約1500万円の赤字を計上し、財政状況が深刻化していました。センター関係者は、ネット通販の普及が直接的な打撃となったと指摘しています。消費者がオンラインで商品を購入する傾向が強まる中、実店舗としての魅力が薄れてしまったのです。
また、展示即売場は人気漫画「進撃の巨人」の関連グッズを多数取りそろえ、ファンが立ち寄る人気スポットの一つになっていました。しかし、コロナ禍以降、団体客が減少したことも痛手となり、売り上げ回復の足かせとなっていました。
解散後の土地・建物の処分と活用策
解散に伴い、センターの土地と建物は日田市に無償譲渡される予定です。現在、テナントとして入居している業界団体や放課後児童クラブは、引き続き使用を継続します。日田市は2026年度の管理費として、約1000万円を2月26日に開会した市議会定例会に提案しています。
市の商工労政課は今後の活用策について、「現時点では未定」としています。地域の産業振興を担ってきた施設の役割が終わる中、新たな活用方法を模索する必要に迫られています。
この解散は、地場産業の支援を目的とした公共施設が、デジタル化の波にどのように対応していくべきかという課題を浮き彫りにしました。ネット通販の利便性が高まる一方で、地域の伝統や文化を直接感じられる場の重要性も再認識される結果となっています。



