新潟県佐渡市の酒蔵が、世界文化遺産「佐渡島の金山」周辺の落ち葉から発見された酵母を用いた日本酒造りを進めている。この酵母は、県醸造試験場の技術によって培養・実用化された。佐渡酒造協会の加藤一郎代表は「酒の神様がつないでくれた縁のようだ」と語る。
酵母発見の経緯
佐渡市の五つの酒蔵は、2021年から地元の酒の魅力をPRするために連携を開始。その中で、新潟大学などが過去に藤の花から日本酒醸造に適した酵母を見つけた事例を知り、「島でも独自の酵母を見つけたい」と意気込んだ。
協会からの依頼を受け、県醸造試験場などが2023年に島内56カ所でサンプルを採取。果樹園のリンゴや寺のアジサイ、陶芸の窯元などから集めた中で、日本酒製造に適した酵母が唯一見つかったのは、佐渡金山の象徴的な採掘地「道遊の割戸」周辺の落ち葉だった。
培養と実用化
自然界由来の酵母は発酵力が弱いため、試験場は既存の酵母と複数回掛け合わせて培養。2024年末ごろに実用化に成功した。完成した酵母は、自然を思わせる荒々しさと華やかな香りを併せ持つ。五つの酒蔵では昨年12月からこの酵母を使った仕込みを開始している。



