「飛鳥・藤原の宮都」が、世界遺産登録に向けて大きく前進した。地元自治体が提案してから20年。地下に埋もれた遺跡が多く、「わかりにくい」との指摘もあったが、長年の発掘調査の蓄積を基に、東アジアの交流の中で古代国家が生まれたことを示す遺跡群としての価値を打ち出し、突破口を開いた。
イコモスが登録勧告、地元は歓迎
ユネスコの諮問機関イコモスが「飛鳥・藤原」の世界遺産登録を勧告したことを受け、奈良県と橿原市、桜井市、明日香村の知事と各市村長は連名で談話を発表。「顕著な普遍的価値が国際的に認められたことをうれしく思う」と述べた。
20年にわたる道のり
地元自治体が世界遺産への第一歩とされる国内の「暫定リスト」候補に「飛鳥・藤原」を提案したのは2006年11月。文化庁は翌年、暫定リストに加えたが、その後の動きは乏しかった。2023年には文化審議会の部会が推薦を見送った。構成資産の保護措置が不十分とされたほか、飛鳥・藤原が持つ価値の精査や国際的な理解を得るための検討が求められた。
価値の再評価と保護の強化
関係自治体は史跡指定の範囲を広げる対応に取り組み、県などは推薦書案の練り直しに力を入れた。飛鳥・藤原の特徴は、中国や朝鮮半島との緊密な交流の中で、古代国家が形成された点にある。この価値を前面に打ち出すことで、国際的な理解を得ることに成功した。
今後の展望
世界遺産登録が実現すれば、日本の古代史を象徴する遺跡群として、国内外からの注目が集まることが期待される。地元自治体は観光振興や文化財保護のさらなる強化を目指している。



