愛知・西尾市の比島観音で最後の供養祭 戦没者慰霊55年の歴史に幕
愛知・比島観音で最後の供養祭 戦没者慰霊55年の歴史に幕 (02.04.2026)

愛知・西尾市の比島観音で最後の供養祭 戦没者慰霊55年の歴史に幕

愛知県西尾市東幡豆町にある比島観音で、太平洋戦争中にフィリピンで亡くなった軍人や民間人を慰霊する奉賛会が、5日に最後の供養祭を開く。会員の高齢化が進んだため、前身の例大祭から数えて55回目で活動に終止符を打ち、会を解散する。亀井亘会長(82)は「どうか世界を平和に」と願いを込める。

高齢化で幕を下ろす慰霊の歴史

比島観音は1972年、遺族や戦地からの生還者ら約6千人の寄付金で三ケ根山頂に建立された。以来、毎年4月に例大祭が開催されてきたが、年月の経過とともに当事者が減少。2018年を最後に例大祭は終了し、会員の要望を受けて翌年から供養祭として継続してきた。

現在、約150人の会員には生還者はおらず、多くが高齢者となっている。亀井会長は「体調が悪い人も無理して役員をやってもらっていた」と苦労を振り返る。供養祭だけでなく、役員が30年以上続けてきた月1回の観音の清掃も、今後は頻度を減らす方針だ。

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父を失った会長の平和への思い

亀井会長の父・正美さんは陸軍兵として従軍し、1945年6月にルソン島で爆撃を受け、34歳で亡くなった。亀井会長は世界の一部の政治家を念頭に、「自国第一主義で兵力に物を言わせて自分勝手なことをやっている。これでは戦争はなくならない」と憤りをあらわにする。

「安穏な日々を暮らせるよう、早く争いが終わってほしい」と語る亀井会長。世界で戦火が絶えない現状に胸を痛めながらも、戦争のない社会への願いを強く抱いている。

フィリピンでの犠牲と最後の祈り

フィリピンでの日本人の犠牲者数は約51万8千人に上り、フィリピン人も約100万人以上が犠牲になったとされる。最後の供養祭には約80人が参加する予定で、比島観音の前であらためて世界平和を祈る。

55年にわたる慰霊活動の歴史が幕を下ろすが、亀井会長の「戦争のない世界を願う」というメッセージは、今後も地域に受け継がれていくことだろう。

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