宮崎駿監督の人気アニメ映画「もののけ姫」が、今年夏に「スーパー歌舞伎」として舞台化されることが決定した。6月5日、都内で製作発表記者会見が開かれ、主人公アシタカ役の市川團子さん、ヒロイン・サン役の中村壱太郎さんら主要キャストが意気込みを語った。
祖父の遺志を継ぐ新作
スーパー歌舞伎は、團子さんの祖父である二代目市川猿翁さんが創始した、現代的な照明や音楽を取り入れた新作歌舞伎のシリーズ。1986年の第1作「ヤマトタケル」以来、斬新な演出で観客を魅了してきた。
團子さんは「スーパー歌舞伎は、祖父のライフワークのような活動でした。今回は、祖父がいない状態での初めての新作となります」と、感慨を込めてあいさつ。原作映画の圧倒的な人気を意識し、「この二つの大きな冠の中で歌舞伎として上演することに、正直怖さもあります」と率直な心境を明かした。
その上で「一人でも多くの方に感動していただき、明日を生きる活力になる舞台にしたい。皆で力を合わせて誠心誠意取り組みます」と力強く語った。
役作りへの思い
自身が演じるアシタカについては「寡黙な人物です。だからこそ、一つ一つの行動に対する裏付けや脚本解釈が特に比重の大きい役だと思っています」と分析。台詞だけでなく、所作や表情で内面を表現する難しさに挑む。
一方、中村壱太郎さんはサン役について「注目されていることに、改めてワクワクとドキドキを感じています。歌舞伎の新時代の幕開けになる舞台だと感じています。とにかくこれを見なければ損だと思わせるような作品にしたい」と意欲を見せた。
山犬に育てられたというサンの背景を踏まえ、「女形として、少女と獣を掛け合わせた新たな形を見いだしていきたい」と、伝統的な女形の枠を超えた表現を模索する。
共演者やプロデューサーの期待
猪神一族の最長老・乙事主役を演じる市川中車さんは「この公演がすごく豊かなものになる予感がしています」と期待を寄せた。
スタジオジブリの鈴木敏夫代表取締役プロデューサーは、映画企画時に「時代劇はもうはやらない」と反対されたことを回顧。「それを歌舞伎の世界で再現できる。ちょっと感動しています」と、今回の舞台化への感慨を述べた。
会見には演出の横内謙介さんも出席し、作品への思いを共有した。
公演概要
スーパー歌舞伎「もののけ姫」は、2026年7月3日から8月23日まで、東京・新橋演舞場で上演される。伝統と革新が融合する舞台に、大きな注目が集まっている。



