群馬でクマ目撃増、市街地訓練や夜間対応ハンター育成強化
群馬でクマ目撃増、市街地訓練や夜間対応ハンター育成

クマの活動が活発化する季節を迎え、群馬県内では昨年度のクマ目撃件数が1398件に達し、統計を公表している2011年度以降で最多を更新した。人身被害も12人と、2009年度以降で最も多くなっている。今年1月から4月までの目撃件数は51件(前年同期比30件増)で、昨年を上回るペースだ。これを受け、各自治体は市街地での出没を想定した訓練を進め、県も夜間の駆除に対応できるハンターの育成に力を入れている。

藤岡市で初の緊急銃猟訓練

群馬県藤岡市では先月20日、地元猟友会や市関係者、住民ら約60人が参加し、緊急銃猟の訓練を初めて実施した。市街地での猟銃発砲の条件や手順、住民の避難誘導方法などを確認した。市内では昨年11月、狩猟中の男性がクマに襲われ重傷を負う被害が発生。新井雅博市長は「様々な事態を想定したマニュアルを作り、市民の安全を守りたい」と述べた。

クマの行動が活発化する季節

県鳥獣被害対策支援センターによると、クマは5月以降、夏に向けて行動が活発化する。過去10年間の月別目撃件数では、4月が計214件なのに対し、5月は3倍以上の計762件、6月は計1437件と増加傾向にある。

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自治体の取り組みと警察の装備強化

人身被害を防ぐため、各自治体が対策を強化。昨年県内で最も多い5人が被害に遭ったみなかみ町では今年度から、クマを引き寄せる柿や栗の木の伐採費用(上限5万円)を補助。5月末時点で15件の申請があった。同様の補助は中之条町や川場村でも実施されている。

また、クマ出没現場に対応する警察官の装備も強化。県警は13署にクマ撃退スプレーを配備し、目撃情報が多い沼田署では昨年からフェースシールド付きヘルメットを着用している。岩手県紫波町では4月、警察官がクマに襲われる事案が発生したことを受け、県警地域課の大沢岳也地域指導官は「使える装備をフル活用し、事故を防止したい」と話す。

夜間対応可能なハンター育成

市街地にクマが長時間とどまるケースも想定されるため、県は夜間の駆除に必要なハンターの育成に注力。20年以上の経験を持つ県自然環境課の中山寛之捕獲対策専門員は「夜間の発砲は危険性が高く、正確な射撃技術が求められる」と指摘する。夜間緊急銃猟には国の安全管理講習修了が必要で、50メートル先の標的に5発を撃ち、ライフル銃は直径5センチ以内、散弾銃は直径10センチ以内に全発命中させる技術水準が求められる。県は外部講師を招き、スコープの使い方や射撃姿勢を教える研修会を開く考えだ。

クマの生息数増加と緩衝帯の消失

県によると、2024年度の県内のクマ推定生息頭数は2773頭で、2015年度の1188頭から2.3倍に増加。中山捕獲対策専門員は「個体数増加と人口減少が同時に進み、人間と動物の緩衝帯がなくなり距離が近づいている」と説明。市街地でもクマに警戒するよう呼びかけている。

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