焼き肉店「八起」で40年続く寄席が700回達成、若手落語家の活躍の場として地域に笑いを届ける
焼き肉店「八起」寄席が700回、若手落語家の活躍の場に

焼き肉店「八起」で40年続く寄席が700回を達成、若手落語家の活躍の場として地域に笑いを届ける

相模原市南区の焼き肉店「八起」で主催される「八起寄席」が、通算700回を迎える。この寄席は1986年8月に始まり、40年にわたり地域に根ざした文化活動として継続されてきた。若手落語家に活躍の場を提供する目的で始まったが、立川談志さんをはじめとする名だたる落語家も出演し、多くの笑いを届けてきた。

月1回の開催で地域に定着、偶数月は店内、奇数月は大学ホールで

寄席は小田急線相模大野駅近くの焼き肉店「八起」を中心に開催されている。現在は月に1回、偶数月には店内で、奇数月には近くの相模女子大学グリーンホール(市文化会館)を会場に、原則として店が休みの第3月曜日に実施されている。この定期的な開催が地域住民に親しまれ、文化イベントとして定着している。

おかみの時子さんの思いがきっかけ、夫の章さんも即賛同

寄席の始まりは、店長・唐沢章三さんの母でおかみの時子さん(79)が、友人から「若手の落語家が披露の場の少なさに困っている」と聞いたことがきっかけだった。時子さんは「それなら、うちの店でやってみては」と提案し、夫で店主の章さん(85)も二つ返事で賛成した。時子さんは小学生のころから落語に親しみ、街頭テレビで見た「時そば」の演目が忘れられない思い出として残っているという。

演者や演目を記録した根多帳は店の宝、1千回を目指して継続へ

寄席の演者や演目を詳細に記録した根多帳は、店の大切な宝物として保管されている。店長の唐沢章三さん(43)は「1千回を目指して、今後も無理せず続けていきたい」と意欲を語る。寄席は若手落語家の育成に貢献するとともに、地域コミュニティの絆を深める役割も果たしている。

家族一丸となって支える、若おかみ・貴子さんも後継者として活躍

寄席の運営には、店主の章さん、おかみの時子さん、店長の章三さん、若おかみの貴子さんが一丸となって携わっている。この家族の協力が、40年間の長きにわたる継続を可能にしてきた。貴子さんは後継者として、新しいアイデアを取り入れながら寄席の活性化に努めている。

八起寄席は、単なる落語の会を超え、地域文化の象徴として発展してきた。今後も多くの人々に笑いと温かさを提供し続けることが期待されている。