芹沢光治良の富士山への思い 逆境を乗り越えた作家の軌跡を沼津で展示
芹沢光治良の富士山への思い 沼津で企画展

芹沢光治良の富士山への深い思い 逆境を乗り越えた作家の軌跡を沼津で展示

静岡県沼津市名誉市民の作家、芹沢光治良(1896~1993年)の企画展「光治良 思い出の風景~富士山にどなられた」が、同市の芹沢光治良記念館で開催されています。小説「人間の運命」などで知られる光治良の、富士山に関するエッセーや写真、直筆原稿など約70点を展示し、逆境に負けず前向きに生きようとする作風をひもといています。展示は5月31日まで続きます。

赤富士が自殺を思いとどまらせた 光治良の人生の転機

企画展では、山頂が赤褐色に染まった「赤富士」の写真が目を引きます。光治良は小学生のころ、預けられた祖父母の家で居場所がなく、貧しさに絶望していました。狩野川に身を投げようとした直前、目に入った赤富士に心を奪われ、自殺を思いとどまったといいます。この体験から、光治良は「富士山に叱られた」と感じ、以来、富士山を人生の指針として大切にしました。

初公開の直筆原稿など貴重な展示品が並ぶ

展示の目玉は、初公開となる光治良の自筆随筆原稿です。これには、富士山に対する強い思い入れが垣間見え、作家の内面を深く理解する手がかりとなります。その他にも、富士山を題材にしたエッセーや写真など、多彩な展示品を通じて、光治良の生きざまや作品世界を感じることができます。

記念館スタッフの願い 作品をより深く味わってほしい

同館の剱持直樹副主任は、「展示品を通して光治良の生きざまを感じ、作品をより深く味わってもらえれば」と願いを語りました。光治良の生涯と富士山の関わりを探ることで、読者が作品に新たな視点を持てるよう、企画展は構成されています。

展示の詳細情報 開館時間や特別イベントも

開館時間は午前9時から午後4時半まで(入館は午後4時まで)で、月曜日(祝日の場合は翌日)は休館です。また、「富士山の日」である2月23日は入館無料となり、同日には剱持副主任による説明会が計3回催されます。この機会に、光治良の世界に触れてみてはいかがでしょうか。