漱石自筆絵はがき7点確認、「吾輩は猫である」発表期に印象派模写
漱石自筆絵はがき7点、印象派模写を確認

松山市の道後温泉にある老舗旅館「大和屋別荘」で宿泊者向けに展示されていた7通の絵はがきが、文豪・夏目漱石の自筆によるものであることが10日、研究者の発表で明らかになった。これまで広く世間に知られることはなかったという。

絵はがきの詳細

絵はがきは1905(明治38)年1月2日から1906(明治39)年4月13日までの日付で、漱石の教え子で外交官となった橋口貢と、その弟で後に画家・版画家として活躍した清(画号は五葉)に宛てたもの。裏面には印象派の画家クロード・モネやピエール=オーギュスト・ルノワールの作品が水彩で模写されている。旅館が30年以上前に購入したとされる。

研究家による鑑定

漱石研究が専門の長島裕子・秀明大学客員教授(日本近代文学)が、旅館のホームページに掲載された写真を見て、現行の「定本漱石全集」(岩波書店)に収録されていない可能性に気づいた。夫の中島国彦・早稲田大学名誉教授(日本近代文学)と共に調査し、漱石の自筆と判断した。

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長島さんによると、漱石は絵画に関心を持っていたことが知られており、知人に宛てた自筆の絵はがきも多数残されているという。今回の絵はがきは、小説『吾輩は猫である』の発表時期と重なることから、「教員だった漱石が『猫』を執筆する際、絵を描くことで創作意欲を高めていたのだろう。この時期の漱石にとって、水彩画は重要なエネルギー源だったのではないか」と語った。

今後の展示

大和屋別荘は、宿泊者が引き続き鑑賞できるよう館内に展示を続ける方針。

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