松江からWBCブラジル代表へ…初安打も全敗で悔しさ残す日系3世選手の挑戦
松江からWBCブラジル代表へ…初安打も全敗で悔しさ (05.04.2026)

松江のクラブチームから世界の舞台へ 日系ブラジル3世選手のWBC挑戦

2026年3月に開催され、ベネズエラの初優勝で幕を閉じた野球の国・地域別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」。この世界的な大会に、島根県松江市の社会人クラブチーム「MJG島根」に所属する日系ブラジル3世の興梠フェリペ・ケンゾウ選手(22)がブラジル代表として出場した。大会終了後、選手は貴重な経験とともに、悔しさと新たな決意を語っている。

メジャーリーガーの圧倒的なレベルに「憧れてしまいました」

ブラジル・サンパウロ州から単身で海を渡り、2021年春に17歳で立正大淞南高校に野球留学した興梠選手。5年の歳月を経て挑んだWBCの大舞台では、まばゆいばかりの光を放つメジャーリーガーたちのプレーに圧倒されたという。「持てる力を全て出せたとしてもかなわない。スピードも、パワーも、守備力も、何もかもレベルが違った」と振り返り、胸の内を明かした。「憧れてしまいました」という言葉に、世界トップレベルの野球に対する畏敬の念がにじむ。

メキシコ戦で待望の初安打 157キロの直球を右前へ

ブラジル代表は1次ラウンドで米国、メキシコ、イタリア、イギリスと同じB組に入った。米国との初戦は代走で途中出場し、「8番・ショート」で先発出場したイタリア戦では2打数無安打に終わった。「想像していたよりも、はるかに強かった」と相手の実力を痛感した。

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米国には5-15、イタリアには0-8で敗退したが、代打で出場した3戦目のメキシコ戦で、待望の大会初ヒットが生まれた。打ったのは157キロの直球。「体感したことがない速さだった」としながらも、見事に右前へはじき返した。このヒットについて興梠選手は「日本で学んできた野球が間違っていなかったんだと、自信にもなった」と笑顔を見せた。

1次ラウンド全敗の悔しさ 次へのステップへ

総当たり戦の1次ラウンドは、最終戦のイギリスにも1-8で敗れ、ブラジルは全敗に終わった。2013年以来2度目の出場となった今大会でも、目指していた初白星は遠く、「チームが劣勢なのに、自分が何もできなかったことが悔しい」と語った。

しかし、WBCの経験は選手の野球への思いに変化をもたらした。「声をかけてもらえれば実業団チームに入って、もっと、もっと野球がしたい」と新たな目標を掲げる。現在所属する地域の仲間が自主的に集まるクラブチームでは、試合や練習が土日や祝日に限られ、思うように野球ができない現実がある。帰国後に慰労会を開いたMJG島根のチームメートも「やるなら社会人の強豪でやってほしい」とエールを送っている。

経験を翼に変えて 次回WBCへの意欲も

「経験や学びは、世を渡る羽になる」という言葉通り、興梠選手はこの貴重な経験を次へのステップに変えようとしている。次回のWBC出場にも意欲を示しており、どんな翼を広げて羽ばたくのか、今後の活躍が楽しみで仕方ない。

松江の地から世界の舞台へ飛び立った日系ブラジル3世選手の挑戦は、まだ始まったばかりだ。悔しさをバネに、さらなる高みを目指すその姿に、多くのファンが注目している。

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