プロ8年目でつかんだ記念すべき1勝
プロ野球中日ドラゴンズの根尾昂投手(25)が4月8日の横浜DeNA戦でプロ初勝利を挙げ、地元・岐阜県飛騨市のファンや関係者から大きな祝福の声が上がっている。プロ入り8年目、投手転向5年目でようやくつかんだ記念すべき1勝に、少年時代からその成長を見守ってきた地元住民らは大興奮。今季のさらなる飛躍を心から願う声が相次いでいる。
地元後援会長「やっとで1勝できて、うれしかったさ」
「やっとで1勝できて、うれしかったさ」。地元後援会の清水昭南会長(83)は、根尾投手の活躍を報じる新聞朝刊を強く握りしめながら喜びを語った。清水会長は経営する建設会社の敷地で、幼少期から壁当てやキャッチボールに励む根尾投手の姿を見てきた一人だ。
「長い下積みもあったが、今年こそと思っていた。まずは出場機会を増やせるように頑張ってほしい」。ヒーローインタビューで両親への感謝を口にしたと知り、道端でばったり会った根尾投手の母にも思わず喜びを伝えたという。
中学時代の監督「真面目でしっかりしているので心配してなかった」
根尾投手が飛騨市古川中学校時代に所属した飛騨高山ボーイズの代表、井上太さん(63)は「頑張ったな」と安堵の表情を見せた。当時は球速140キロ超の「スーパー中学生」として注目された根尾投手。プロの野手として結果を残せず、異例の投手転向となったが、井上さんは「真面目でしっかりしているので心配してなかった」と振り返る。
昨年12月、高山署の1日署長として訪れた際に再会したといい「体は大きくなっていたけど変わっていなかった。これからどんどん勝ってくれると思う」と期待を込めた。
中学の同級生「正義感が強くてみんなのまとめ役」
根尾投手と中学の同級生だった飛騨市古川町の会社員山之口日菜さん(25)は「正義感が強くてみんなのまとめ役。野球でも周囲に応援されていた」と懐かしむ。家族一同が中日ファンという山之口さんは、初勝利の瞬間、両親とともにテレビの前で歓喜したという。
「オーラや話す姿から、諦めないだろうと思っていた。これからも頑張ってほしい」とエールを送った。
地元ファンクラブ「飛騨の桜の季節とともに、やっと本当の春が来た」
飛騨市神岡町の中日ファンでつくる「ひだ神岡ドラゴンズ俱楽部」の田中拓朗会長(52)は、3月に日本代表のサポートメンバーとして強化試合に登板した時から「今年は期待できるぞ」と応援してきた。
「飛騨の桜の季節とともに、やっと本当の春が来た。中継ぎとして大事な場面で信用される選手になってほしい」と期待を語る。
「根尾メーター」更新 投手としての新たな出発
同町船津の新聞販売店「かんや」の店頭では、根尾投手の通算成績を紹介する「根尾メーター」が掲示されている。店主の帰家圭吾さん(45)は「苦労のあった分だけうれしい。ボール球でも振らせるキレのある投球ができ、チームを勢いづける存在になるだろう」と評価する。
メーターの通算奪三振数は、8日の2個を加えて「42」。野手の実績を示す通算安打数と並び、投手としての新たな出発を告げる節目にもなった。地元飛騨の熱い期待を背に、根尾投手の今後の活躍が注目されている。



