藤井聡太王将が絶体絶命から劇的逆転 王将戦5連覇を達成
2026年3月25日と26日の両日、大阪府高槻市の関西将棋会館において、将棋の第75期王将戦七番勝負第7局が行われた。挑戦者である永瀬拓矢九段(33)に対して、先手番の藤井聡太王将(23)が見事に勝利を収め、シリーズ成績を4勝3敗として王将のタイトル防衛に成功した。この勝利により、藤井王将は王将戦において5連覇を達成し、名人・竜王・王位・棋聖・棋王と合わせて六冠の地位を堅持することとなった。
1勝3敗の絶望的状況から3連勝で大逆転
今期の王将戦は、両者が1勝1敗でスタートしたものの、第3局と第4局で藤井王将が連敗。1勝3敗という絶体絶命の状況に追い込まれた。七番勝負において、藤井王将が自身初めてカド番に立たされるという危機的状況であった。しかし、第5局から第7局にかけて、藤井王将は驚異的な3連勝を記録。カド番を3度も乗り越えるという劇的な展開で、見事に防衛を果たしたのである。
将棋の七番勝負において、1勝3敗と追い込まれた棋士がそこから3連勝して逆転勝利を収めた事例は、今回で5度目となる歴史的な快挙となった。藤井王将のタイトル獲得は通算33期に達し、その強さを改めて証明する結果となった。
七番勝負における圧倒的な強さを発揮
藤井王将がタイトル戦の番勝負で敗退したのは、叡王戦1期と王座戦1期のみであり、いずれも五番勝負であった。一方で、七番勝負のタイトル戦、すなわち名人戦、竜王戦、王位戦、王将戦においては、過去19期すべてを制覇している。今回の王将戦では、初めて七番勝負で相手に3勝を挙げられ、カド番に追い込まれるという経験をしたが、それをも逆転する底力を見せつけた。
藤井王将と永瀬九段は練習パートナーとしても知られる間柄であり、両者がタイトル戦で対決するのは今回で7度目となる。過去6度の対戦ではすべて藤井王将が勝利しており、永瀬九段は今回初めて藤井王将をカド番に追い込んだものの、あと一歩のところでタイトル奪取を果たせなかった。永瀬九段にとって、藤井王将相手にタイトル戦の番勝負で初制覇を達成する機会は、またもや訪れなかったのである。
将棋界の勢力図に変化なし 六冠体制が継続
現在の将棋界において、八つのタイトルは藤井六冠と伊藤匠二冠(23)が分け合う構図が続いている。今回の王将戦防衛により、この勢力図に揺るぎは生じなかった。藤井王将の圧倒的な強さが、将棋界の現状を象徴する結果となった。
なお、藤井棋王に増田康宏八段(28)が挑戦している第51期棋王戦五番勝負でも、藤井棋王は1勝2敗とカド番に追い込まれたが、第4局で勝利を収め、両者2勝2敗のタイに持ち込んでいる。決戦となる第5局は3月29日に鳥取市で行われる予定であり、将棋ファンの注目が集まっている。



