ミラノ・コルティナ五輪 ノルディック複合で渡部暁斗が11位、距離競技に焦点
ミラノ・コルティナオリンピックのノルディック複合競技が進行中だ。11日に行われた個人ノーマルヒル(NH、HS107メートル、K点98メートル)では、渡部暁斗選手(北野建設)が日本勢最上位の11位となった。前半飛躍で3位につけた山本涼太選手(長野日野自動車)は15位、谷地宙選手(JAL)は23位で、優勝はイエンスルラース・オフテブロ選手(ノルウェー)が獲得した。
渡部暁斗の現役最後の五輪、距離競技での苦戦と手応え
現役最後の五輪となる渡部暁斗選手は、6大会目の初戦を11位で終えた。今季ワールドカップで不調だった前半飛躍では、K点越えの100メートルをマークし、首位と41秒差の11位で後半距離に臨んだ。距離競技では、傾斜が急な坂でスキー板が埋まるほど軟らかい雪が重なり、「追いつけそうに見えて全然ペースが上がらない。きつかった」と語った。一方で、飛躍の復調やコース対策に手応えを得ており、「もう少し前半をいい位置で折り返せれば、面白いレースができる」と、次戦のラージヒルへの意欲を示した。
阿部雅司氏の分析 距離競技の鍵はスキーの滑りとワックス技術
リレハンメル五輪団体金メダリストの阿部雅司氏は、日本勢の前半飛躍について、「3人とも実力を出し切った」と評価。特に渡部暁斗選手は、現地入り後で一番いいジャンプをしたと指摘した。後半距離での苦戦については、雪質の軟らかさが影響したと分析し、「17日のラージヒルでは、飛躍で貯金を作り、雪質が硬くなれば、スキーが滑ってメダルの可能性が出てくる」と展望を語った。
距離競技では、滑走面に塗るワックスの影響が大きい。日本のチームは、様々なパターンの溝を入れたスキー板を大量に持ち込み、気象やコース状況に応じてワックスとの最適な組み合わせを決める。阿部氏は、2014年ソチ五輪で代表コーチを務めた際、橋本聖子団長に高額な機械の借用を要請し、メダル獲得につなげた経験を振り返る。他の強豪国も同様の機械を導入しているが、日本のワックスマンは長年にわたり選手を支えてきた熟練の技を持つと強調し、期待を寄せた。
競技地バルディフィエメの歴史と渡部暁斗の経験値
競技が実施されているバルディフィエメは、かつて世界選手権で日本がメダルを獲得し、渡部暁斗選手が初めてワールドカップで優勝した場所だ。標高が900メートル台と高いため、距離競技では心肺機能に負担がかかるが、ペース配分では渡部選手の豊富な経験が生きると阿部氏は指摘する。今後のレース展開に注目が集まる。



