ミラノ・コルティナ五輪ノルディック複合、渡部暁斗が日本勢最上位の11位
2026年ミラノ・コルティナ五輪のノルディック複合競技は、2月11日に個人ノーマルヒル(NH、HS107メートル、K点98メートル)が行われ、渡部暁斗選手(北野建設)が日本勢最上位の11位という結果を残しました。前半飛躍で3位につけた山本涼太選手(長野日野自動車)は15位、谷地宙選手(JAL)は23位となりました。優勝はイエンスルラース・オフテブロ選手(ノルウェー)が獲得しています。
現役最後の五輪となる渡部暁斗の戦い
現役最後の五輪となる渡部暁斗選手は、6大会目の初戦を11位で終えました。今シーズンのワールドカップでは不調が続いていた前半飛躍で、K点を越える100メートルをマーク。首位と41秒差の11位でスタートした後半の距離では、中盤まで第2集団に食らいつく健闘を見せました。渡部選手は「今できるベストは尽くせた」と振り返っています。
距離では、傾斜が急な坂でスキー板が埋まるほど軟らかい雪が重なり、「追いつけそうに見えて全然ペースが上がらない。きつかった」とコースの厳しさを語りました。一方で、飛躍の復調やコース対策に手応えを得た様子で、「もう少し前半をいい位置で折り返せれば、面白いレースができる」と、次戦のラージヒルへの意欲を示しました。
阿部雅司氏の分析:ワックスマンの技が鍵
リレハンメル五輪団体金メダリストの阿部雅司氏は、日本勢3人とも前半飛躍で実力を出し切ったと評価しました。特に渡部暁斗選手については、練習を含め現地入りしてから一番いいジャンプをしたと指摘。後半距離では雪質がざくざくになり、ベテランの渡部選手にとっては厳しい条件だったと分析しています。
阿部氏は、17日に行われるラージヒルでは、飛躍で貯金を作り、雪質が硬くなればスキーが滑ってメダルの可能性が出てくると見ています。距離競技では、滑走面に塗るワックスの影響が大きく、日本の場合は様々なパターンの溝を入れた板を大量に持ち込み、気象やコース状況に応じてワックスとの最適な組み合わせを決める戦略を取っています。
阿部氏が代表コーチを務めた2014年ソチ五輪では、当時の橋本聖子団長に「絶対に必要です」とお願いして、現地でも溝を入れられる高額な機械を借り、メダル獲得につなげました。他の強豪国も同様の機械を運び入れているとみられますが、日本のワックスマンは長年にわたり選手を支えてきた熟練の技を持っています。阿部氏はこの技術に大きな期待を寄せています。
バルディフィエメでの戦い
競技が実施されているバルディフィエメは、かつて世界選手権で日本がメダルを獲得し、渡部暁斗選手が初めてワールドカップで優勝した思い出の地です。標高が900メートル台と高いため、距離競技では心肺的に厳しい面もありますが、ペース配分では渡部選手の豊富な経験が生きると阿部氏は予想しています。



