ラグビー選手27人が公正取引委員会に申告 新制度「独占禁止法違反」と主張
2026年4月20日、海外出身で日本国籍を取得したラグビー選手27人が、国内最高峰リーグであるラグビー・リーグワンの新選手登録制度が独占禁止法に違反しているとして、公正取引委員会に正式に申告を行いました。このうち一部の選手は、東京地方裁判所に対しても差し止め仮処分の申し立てを実施しています。
報道陣の取材に応じた選手側の弁護士は、「リーグ側に制度の再考を強く促したいと考えています」と語り、新制度に対する強い懸念を示しました。申告に参加した選手の中からは、具智元、中島イシレリ、バル・アサエリ愛、ツイ・ヘンドリック、レメキ・ロマノラバ、ラファエレ・ティモシーの6名が名前の公表に応じています。
「外国人扱いは残念」「基準は不公平」 日本国籍取得選手の本音
リーグワンでは来シーズンから、選手登録の区分が大きく変更されます。現行制度では主に日本代表資格を持つ選手を「カテゴリA」としていますが、新制度ではこれが細分化され、義務教育期間に日本で6年以上過ごした選手を対象とする「A1」枠が新設されます。
一方、高校から来日した選手は「A2」という別枠に分類され、これにより出場機会が大幅に減少する可能性が高いと指摘されています。ただし、日本代表として30試合以上に出場した選手については、特例措置としてA1として扱われることが定められています。
スポーツ法務に詳しい牧野誠司弁護士は、この新制度が独占禁止法が定める優越的地位の乱用や不当な差別的取り扱いに該当すると厳しく指摘しています。
「ルールとして正当かどうかと、選手が従来享受してきた権利が侵害されているかは全く別の問題です。義務教育期間のうち6年以上を日本で過ごしたかという条件が、選手の権利を奪うのに適切な理由とは到底考えられません」と牧野弁護士は強調しました。
制度変更の経緯と「多様性」をめぐる議論
ラグビー・リーグワンでは、選手規定の見直しが進められてきました。この変更は、ラグビー界が長年培ってきた「多様性」の歴史に変化をもたらす可能性も指摘されています。
日本国籍を取得した選手たちからは、「外国人扱いされるのは残念だ」「新たな基準は明らかに不公平である」といった声が上がっており、制度変更に対する強い失望と困惑が広がっています。
今回の申告は、スポーツ界における競争環境の公正性や、国籍取得選手の権利保護をめぐる重要な議論を引き起こすものと見られています。今後の公取委の対応やリーグ側の反応が注目されます。



