IPCパーソンズ会長が2026年冬季パラリンピックへの展望を語る
国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドルー・パーソンズ会長(49歳、ブラジル)が3月5日、共同通信のインタビューに応じ、2026年にイタリアで開催されるミラノ・コルティナ冬季パラリンピックへの期待と課題について率直な見解を述べました。パーソンズ会長は、大会の成功に向けた戦略と、パラリンピック運動が掲げる「包摂性」の理念の重要性を強調しています。
広域開催の挑戦と一体感の創出
2026年冬季パラリンピックは、ミラノとコルティナ・ダンペッツォを中心とする広域開催が予定されています。パーソンズ会長はこの点について、「初めての挑戦となるが、各地の既存施設を最大限活用することは前向きな点だ」と評価しました。その一方で、「会場が離れていても、一つの大きな大会としての一体感をどう創出するかが、今後の重要な課題となる」と指摘。広範囲にわたる会場間の連携や、選手・観客にとっての統一感ある体験を実現するための工夫が必要だと述べています。
歴史的建造物のバリアフリー化が示す未来像
開会式が行われるベローナの円形闘技場については、約2千年前に建てられた歴史的建造物をバリアフリー化することに言及。「これは世界中にある歴史的建造物の将来の青写真となる」と語り、アクセシビリティの向上が文化遺産の保存と活用に新たな可能性を開くとの見解を示しました。この取り組みは、障害者を含む全ての人々が歴史的空間を享受できる環境づくりの先駆けとして、国際的な注目を集めそうです。
国際情勢の中での「包摂性」のメッセージ
ロシアのウクライナ侵攻や米イスラエルのイラン攻撃など、国際情勢が緊迫し分断が進む現状について、パーソンズ会長は「多様な人々を受け入れる『インクルージョン(包摂性)』こそが、われわれの運動が掲げる核心理念だ」と強調しました。さらに、「それがパラリンピックの最大のメッセージであり、世界全体がパラ運動の本質を深く理解することを切に望んでいる」と語り、スポーツを通じた社会的結束の促進を訴えかけました。
パーソンズ会長の言葉は、単なる競技大会を超え、パラリンピックが持つ社会的・文化的意義を浮き彫りにしています。2026年大会は、技術的な挑戦とともに、包摂性の理念を国際社会に発信する重要な機会となるでしょう。



