パラリンピック取材で発見 コルティナの三色旗が語るイタリアの多様な文化
コルティナの三色旗が語るイタリアの多様な文化

パラリンピックの舞台で見つけたイタリアの知られざる文化

ミラノ・コルティナ冬季パラリンピックの取材現場で、記者はイタリアの文化的深みに触れる貴重な体験をした。険しい山々に囲まれたコルティナダンペッツォの町を歩いていると、石畳の坂道のあちこちに、青、白、緑の三色旗が掲げられているのを目にした。これはイタリアの国旗とは異なる、見慣れないデザインだった。

ラディン語話者の誇りを象徴する旗

宿泊先のスタッフに尋ねると、その旗の正体が明らかになった。「これはラディン語を話す人々の旗です。コルティナダンペッツォの住民のうち、約1割から2割がこの少数言語を使っています。彼らは自分たちの文化に強い誇りを持っているんです」と説明を受けた。ラディン語はイタリア北部のドロミーティ地域で話されるレト・ロマンス語の一つで、長い歴史を持つが、現代では話者数が限られている。

この話を聞いて、記者はある人物を思い浮かべた。2014年ソチオリンピックのフィギュアスケート女子で銅メダルを獲得したカロリナ・コストナー選手だ。彼女はラディンにルーツを持ち、過去に「五輪やパラリンピックをきっかけに、イタリアの多様な魅力を日本の方々にもっと知ってほしい」と語っていた。記者自身も、まさにコストナー選手が願うように、開催地の隠れた文化的豊かさを発見していることに気付いた。

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「チャオ」に代わるラディン語の挨拶

さらに興味深いのは、イタリア語で「やあ」や「こんにちは」を意味する「チャオ」に相当するラディン語の存在だ。現地では「ブンデー」という言葉が使われており、直訳すると英語の「グッドデー(よい日)」となる。この小さな言語の違いが、イタリア国内の文化的多様性を如実に物語っている。

パラリンピックという国際的なスポーツイベントを通じて、記者は単に競技を追うだけでなく、開催地の歴史や伝統に深く触れる機会を得た。ライトアップされる「スリーアギトス」のオブジェの美しさもさることながら、町中に掲げられた三色旗が、イタリアの複層的な文化を静かに主張している様子は印象的だった。

こうした体験は、スポーツと文化が交差するパラリンピックの真の価値を浮き彫りにする。記者はラディン語の挨拶「ブンデー」のように、まさに「よい日々」を現地で過ごしていると実感した。イタリアの多様性を象徴するこの発見は、パラリンピックが単なる競技大会ではなく、人々の交流と理解を深める場であることを改めて示している。

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