米軍・イスラエル軍によるイラン攻撃、中東緊張がミラノ・コルティナパラリンピックに影響
中東緊張でパラリンピックに影響、米軍・イスラエル軍のイラン攻撃

中東の軍事的緊張が冬季パラリンピックを直撃、渡航障害や歴史的連鎖に懸念

米軍とイスラエル軍によるイランへの攻撃、およびイランによる報復攻撃の応酬が、中東地域の軍事的緊張を急激に高めている。この状況は、2026年3月6日に開幕を控えたミラノ・コルティナ冬季パラリンピックに直接的な影響を与え始めており、大会関係者の間では不安が広がっている。戦争の端緒や軍事行動が冬季パラリンピックを直撃するのは、2022年北京冬季大会直前にロシアがウクライナ侵略を始めて以来、2大会連続で3度目となる。現地からの報告によれば、大会運営に深刻な課題が生じている。

空域閉鎖で渡航に支障、IPCが対応に追われる

イランが中東諸国にある米国関連施設などへの反撃を行ったことで、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ空港をはじめ、域内の複数の空港や空域が閉鎖された。これにより、ミラノ・コルティナパラリンピックに集結しつつあった選手団や関係者の渡航にも影響が広がった。国際パラリンピック委員会(IPC)は3月2日、声明を発表し、「中東の空域閉鎖で一部関係者の渡航に影響が及んでいる」と認めた。IPCはミラノ・コルティナ組織委員会と連携し、解決策を模索しているが、個別事例の詳細は明かせないとしている。

IPC関係者からは、「なぜパラリンピック開幕直前のタイミングで毎回起きる?まるで呪われているみたいだ」との声も漏れ、大会への懸念が深まっている。選手団の多くはすでに欧州に入り事前合宿を行っているものの、中東からの渡航者が多い一部の関係者には遅延やキャンセルが発生している。

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歴史を遡る「呪い」、過去の大会でも軍事行動が直撃

IPC関係者が口にした「呪い」の背景には、過去の冬季パラリンピックでも同様の事態が繰り返されてきた歴史がある。最初は2014年のソチ大会で、ロシアのクリミア介入動きが顕在化し、ウクライナ選手団が参加を逡巡した。次に2022年北京大会では、ロシアのウクライナ侵略がパラリンピック開幕8日前に始まり、IPCはロシアとベラルーシ選手の参加を巡り板挟みとなった。

そして今回、パラリンピック開幕6日前の2月28日に米軍とイスラエル軍によるイラン攻撃が開始され、中東情勢が緊迫化。IPCが「またか」と嘆くのも無理はない状況だ。この連鎖は、パラリンピックが平和と共存の理念を掲げる一方で、国際紛争の影響から免れない現実を浮き彫りにしている。

選手村の「雰囲気」は比較的落ち着き、当事国の存在感の小ささが影響

アンドルー・パーソンズIPC会長は3月2日のインタビューで、北京大会と比べ「選手村の雰囲気が異なる」と述べ、今回の軍事行動に対する各国選手団の反発は現時点で目立たないことを示唆した。これは、前回ロシアの攻撃を非難した西側諸国が、今回の米軍・イスラエル軍の行動を容認・賛同していることと関連がある。

一方、ロシアは昨年のIPC総会で正式参加への道が開かれ、国旗や国歌を使用した初の参加を目指している。ウクライナとの戦争が続く中、パラリンピックへの正式参加は政治的にも重要な意味を持つため、抗議の参加辞退は考えにくい状況だ。

また、冬季パラリンピックには中東各国からの参加が少なく、イランとイスラエルは各1人、米国は72選手を予定しているが、「当事国」の存在感が小さいことも、選手村の緊張が高まらない一因となっている。加えて、国際社会が複雑な紛争を経験する中で、正義と悪の判断が容易でないことを学んできた背景も影響している可能性がある。

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パーソンズ会長は、「平和裏な方法で共存する知恵を、人類がいまだ見いだせていないことが情けない」と述べ、パラリンピックが直面する課題を強調した。大会は中東情勢の行方を見据えつつ、開催への準備を進めているが、今後の展開には注意が必要だ。