高木美帆、五輪通算メダル10個の偉業も本命種目で金ならず
ミラノ・コルティナオリンピックは20日、スピードスケート女子1500メートルが行われ、世界記録保持者の高木美帆選手が1分54秒865で6位に終わった。これにより、通算4度目の挑戦となるこの種目での金メダル獲得は叶わなかった。佐藤綾乃選手(ANA)は22位、堀川桃香選手(富士急)は26位となり、アントワネット・ライプマ選手(オランダ)が1分54秒09で優勝を飾った。
滑らなくなった氷と後半の失速が課題に
金メダルへの強いこだわりを見せた高木選手は、レースの残り半周で動きが乱れ、体が思うように動かなくなる場面もあった。「少しでも早くゴールを」と懸命に腕を振ったが、結果は6位という厳しい現実だった。今大会では五輪新記録が量産されてきたリンクの氷が、この日は滑らなくなったとされる。前日までより気圧が高かった影響で、前の組まで総じて記録が伸び悩んでいた。
以前の高木選手なら、こうした状況を踏まえて力の微調整を図ったかもしれない。しかし、今回は「その余裕がなかった」と語り、前半から攻めるスタイルを貫いた。今大会では短距離の500メートルと1000メートルで銅メダルを獲得するなどスピードは上々で、残り1周までは2位をキープしていた。ただ、滑らない氷での消耗が後半の失速につながり、課題が露呈する形となった。高木選手は「その課題だけは詰め切れなかった。最後まで試練を与えてくれる種目だったな」と振り返った。
16年の五輪キャリアで確実に強さを増す
中学生で出場した2010年バンクーバー五輪から16年が経過。高木選手にとって、オリンピックは「憧れた場所」から「トップに立ちたい場所」へと変わった。31歳を迎え、体の変化は確実にあり、滑りも以前のように後半に強さを見せられなくなった面がある。それでも、高木選手は「不安や悩みは自分を引き上げるもの」と捉え、年齢を言い訳にせず、一つ一つの動きを突き詰めて滑りを磨き上げ、ミラノまでの道のりを歩んできた。
過去2大会では重圧や怖さで足が震えることもあったが、今回は「迷いなくスタートが切れた」と語る。悩み抜いてきた経験が確実に強さにつながっている証左だ。今大会で銅メダル2個を加え、手にした五輪メダルは通算10個に到達。日本が冬季五輪で獲得したメダル100個のうち、10分の1を積み上げるという歴史的な偉業を達成した。本命種目での表彰台こそ逃したものの、高木美帆が歴史に名を刻む偉大な選手であることに変わりはない。
高木選手の五輪キャリアは、挑戦と成長の連続だ。今後もさらなる活躍が期待される中、ファンや関係者はその歩みに注目し続けている。



