岡山発のアイスダンス新星「かほゆう」、世界ジュニア選手権代表へ 名古屋から拠点移し飛躍
「かほゆう」世界ジュニア代表へ 岡山移籍で飛躍

岡山が育むアイスダンスの新星「かほゆう」、世界ジュニア選手権へ

ミラノ・コルティナ冬季オリンピックでフィギュアスケート団体銀メダルを獲得した吉田唄菜選手(22)の出身地である岡山国際スケートリンク(岡山市北区)が、今や国内随一のアイスダンス拠点として注目を集めている。その中心にいるのが、名古屋から拠点を移したペア「かほゆう」こと山下珂歩・永田裕人組(ともに21歳)だ。

名古屋から岡山へ 練習環境の移籍がもたらした変化

山下・永田組が岡山に移ったきっかけは、同リンクで指導する有川梨絵コーチ(45)にプログラムの振り付けを依頼したことだった。「ここで練習したい」という思いから3年前に名古屋市から移籍し、新たな挑戦が始まった。

移籍当初について有川コーチは「ただ楽しそうに組んで滑っている2人。それ以上のものがなかった」と振り返る。しかし、岡山での指導を通じて、2人は大きく成長していくことになる。

アイスダンスの核心「ユニゾン」と「見せ方」を習得

アイスダンスにおいて重要な要素の一つが「ユニゾン」、つまり複雑な足さばきをする2人の動きが同調していることだ。有川コーチは1年目にこのユニゾンの大切さを徹底的に教え込み、2年目にはアイスダンス特有の「見せ方」、つまり目の肥えた観客を「うまい」と唸らせる表現技術を伝授した。

その成果は着実に実を結び、スケーティング技術と同調性に磨きをかけた2人は、昨季と今季の国際大会・ジュニアグランプリシリーズに出場。昨年12月の全日本ジュニア選手権を制し、3月開催の世界ジュニア選手権代表の座を手にした。

コーチの言葉が変えた「本気度」と意識改革

コーチの小松原美里さん(33)は今季、2人に対して「世界ジュニアが目標なら口に出して言うこと。『行けたらいいな』じゃ届かないよ」と説いた。この言葉が2人の意識を大きく変えるきっかけとなった。

小松原コーチは「『無理かな』と思ってしまう気持ちは私にもわかる。『代表を取りに行く』と切り替わったところで2人の本気度が高まったように見えた」と語る。山下選手は「岡山に来て、スケートのことをより深く考えるようになった」と述べ、永田選手も「練習量が増え、意欲が高まった」と変化を実感している。

岡山国際スケートリンク 国内アイスダンス強化の拠点に

現在、岡山国際スケートリンクには3組のアイスダンサーに加え、ソロでダンスを習う生徒が国内外から集まっている。有川コーチは日本のアイスダンス強化の鍵として「カップル数を増やすこと」を挙げ、「国内で、練習からライバル同士が競い合える状況を生み出したい」と語る。地道な取り組みが、競技全体の発展を支えている。

レッスン参加者を募集 初心者も歓迎

チームでは、レッスン参加を希望する生徒を募集している。対象は4歳以上(大人も可)で、コーチの立野在さんと小松原美里さんが講師を務める。初心者も歓迎しており、練習は月曜午後6時15分からの1時間。料金は貸し靴代込みで、1回1500円(初回のみ1000円)、1か月(4回)は5000円となっている。

手袋が必須で、スポーツ安全保険への加入を推奨している。問い合わせは、立野さん(080・6800・1950)か、チームのメール(teampatinage@gmail.com)まで。

岡山発のアイスダンス新星「かほゆう」の活躍は、地域に根ざした競技強化の可能性を示す好例だ。世界ジュニア選手権でのさらなる飛躍が期待される。