広島県、災害復旧工事で公文書64件に虚偽記載…補助金約7300万円返還へ
広島県は3日、2018年度から2024年度にかけて実施した災害復旧工事において、行っていない地権者との協議を記すなど、公文書64件に虚偽の内容が含まれていたと発表しました。県は、これらの虚偽の公文書をもとに国から受けた補助金など、合計約7300万円を返還する方針を示しています。
虚偽内容の詳細と職員の説明
発表によると、西日本豪雨で被害を受けた河川の改修工事などを巡って作成された地権者らとの協議録64件で、協議内容や協議日、協議相手に虚偽があったことが明らかになりました。虚偽文書の作成は、県内の五つの建設事務所に及び、関わった複数の職員は「忙しく、協議する時間がなかった」などと説明したとされています。
国への報告と返還額の見込み
県は3日、国土交通省に調査結果を報告しました。国への返還額は、受け取った補助金約5000万円に加算金を加えた計約7300万円になると見込まれています。この事態は、行政手続きの透明性と信頼性に重大な疑問を投げかけるものです。
知事の陳謝と刑事告発の検討
横田美香知事は3日夜、報道陣の取材に応じ、「県行政への信頼を大きく損ねることになり、心よりおわび申し上げたい」と陳謝しました。また、刑事告発についても検討するとしています。この発言は、問題の深刻さと再発防止への強い姿勢を示しています。
調査の経緯と発覚の背景
県は昨年、県西部建設事務所・呉支所で、災害復旧工事の国の補助金申請に関する地権者との協議録のファイル名に「嘘(うそ)」と書かれた文書があることを知り、調査を進めていました。この発見が、一連の虚偽記載問題の発端となりました。公文書管理の不備が、長期間にわたって見過ごされていた実態が浮き彫りになっています。
今回の事例は、災害復旧という緊急性の高い事業においても、適正な手続きと記録の重要性を改めて強調するものです。広島県は、今後の再発防止策として、職員教育の強化や監査体制の見直しを検討するとみられ、行政の信頼回復に向けた取り組みが求められています。



