化粧品タルク混入の石綿被害、支援団体が調査要望「氷山の一角」と指摘
化粧品石綿被害、支援団体が調査要望「氷山の一角」

化粧品タルク混入の石綿被害、支援団体が調査要望「氷山の一角」と指摘

化粧品会社の元販売員だった宮城県の女性(当時68歳)が、化粧品に使用されるタルク(滑石)に石綿(アスベスト)が混ざっていた可能性があるとして労災認定されたことを受けて、石綿被害者支援団体「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」は2026年4月10日、資生堂や日本化粧品工業会、厚生労働省などに対して要望書を提出しました。

要望書では、この女性の労災認定事例について「氷山の一角に過ぎない」と強調し、当時業務に従事していた化粧品販売員や、長期にわたって製品を使用してきた消費者にまで、潜在的な健康被害が及んでいる可能性を指摘しています。

「静かな時限爆弾」と呼ばれるアスベスト関連疾患

アスベスト関連疾患は、数十年に及ぶ長い潜伏期間を経て発症することから、「静かな時限爆弾」と形容されることがあります。今回労災に認定された女性は、化粧品の販売員として働いており、2024年に悪性胸膜中皮腫と診断され、同年10月に亡くなりました。労災認定された期間は、1974年から1977年にかけて資生堂仙台駐在所(現・資生堂ジャパン)に勤務していたときです。

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支援団体は要望書の中で、以下の具体的な措置を求めています。

  • 過去から現在までに製造・販売されたタルク含有化粧品などの製品について、最新の分析方法を用いた詳細な調査を実施すること。
  • 化粧品の販売員や消費者に対して、広く注意喚起を行うこと。

相談件数は約100件に上り、遺族からの声も

今回の労災認定の公表を受けて、支援団体には元化粧品販売員や消費者らから約100件の相談が寄せられているといいます。また、中皮腫で亡くなった方の遺族からの相談も含まれているとのことです。

要望書提出後の記者会見では、亡くなった女性の長女が「化粧品販売員の方で迷っているのであれば、ぜひ支援団体に相談してほしい」と訴えました。支援団体の小菅千恵子会長と沢田慎一郎事務局長は、霞が関の厚生労働省前で記者団に対応し、業界全体での早急な対応の必要性を訴えました。

この問題は、化粧品業界における労働安全や消費者保護の観点から、今後さらに議論が深まることが予想されます。潜伏期間の長さから、潜在的な被害者の把握が困難であることも課題となっており、継続的な調査と支援体制の整備が求められています。

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