共同通信子会社がフリーランス法違反 記者や棋士への条件明示怠る
公正取引委員会は2026年2月25日、デジタル記事やPR事業を展開する「株式会社共同通信社(KK共同)」(東京都港区)が、フリーランス法に違反したと認定し、再発防止を求める勧告を出した。同社は業務を委託した記者や写真家、棋士らに対し、取引条件を適切に明示していなかった。
全国報道各社加盟の共同通信社の完全子会社
KK共同は、全国の報道各社が加盟する一般社団法人「共同通信社」の完全子会社である。同社はデジタルコンテンツの配信に加え、企業や官庁向けのPR事業、各種イベント事業を手掛けている。今回の違反は、フリーランス法が施行された2024年11月から2025年2月にかけて発生した。
45人のフリーランスに条件明示せず
公取委の発表によると、KK共同は運営するデジタルコンテンツや出版物の記事執筆、イラスト作成、写真撮影を委託したフリーランス計45人に対して、以下の取引条件を明示していなかった。
- 具体的な業務内容
- 報酬額の詳細
- 支払期日の明確な提示
対象となったフリーランスには、KK共同が企画運営した囲碁や将棋の大会における立ち会い業務、観戦リポートの点検業務を委託された棋士も含まれている。特に報酬の支払期日を示していない場合、業務や成果物の提供を受けた日がそのまま支払期限となる規定があるが、44人のうち41人は支払期日が明示されておらず、実際に報酬の支払い遅延も認定された。
フリーランス法の義務と過去の違反事例
フリーランス法は、発注者がフリーランスに業務を委託する際に、業務内容や報酬額、支払期日などの取引条件を文書やメール、SNSの文面で明示することを義務付けている。この法律は取引の適正化とトラブル回避を目的として制定された。
公正取引委員会はこれまでにも、小学館、光文社、島村楽器など計6社に対して同様の違反で勧告を出してきた。今回のKK共同のケースは、大手報道機関の関連企業が対象となった点で注目を集めている。
公取委はKK共同に対し、再発防止策の徹底を求める勧告を正式に交付。同社は今後、フリーランスとの取引において法律で定められた条件明示を確実に実施することが求められる。



