栃木県がカスタマーハラスメント防止条例案を県議会に提出
栃木県は、顧客による理不尽な要求や言動を指すカスタマーハラスメント(カスハラ)の防止を目的とした条例案を県議会に上程した。この条例案が可決されれば、2026年4月1日に施行される予定である。栃木県の取り組みは、全国で初めて相談を受けた事例を定期的に公表して啓発活動を強化する点が特徴となっている。
条例案の具体的な内容と定義
条例案では、カスタマーハラスメントを「顧客や取引先などの言動が、社会通念上許容される範囲を超え、従業員の就業環境を害するもの」と明確に定義している。主な規定は以下の通りである。
- 顧客側に対して、言動に必要な注意を払うことを努力義務として課す。
- 事業者に対して、カスハラ防止のための体制整備や適切な措置を講じることを努力義務とする。
- 施行に合わせて作成される「基本指針」では、具体的な問題行動の例示を予定している。
- 罰則は設けず、啓発と自主的な取り組みを促す方針を採用している。
福田富一知事の見解と全国的な動向
福田富一知事は、先月12日の定例会見で相談事例の公表について言及し、「顧客側の理解を深め、問題行動を思いとどまってもらうとともに、事業者側の対策充実にも役立ててほしい」と述べた。この取り組みは、双方への教育的効果を期待したものである。
カスタマーハラスメント防止条例は、既に群馬県、東京都、北海道が昨年4月に施行しており、栃木県の条例案が可決されれば、全国の都道府県で7番目の実施となる。栃木県の事例公表は、他地域に先駆けた先進的な試みとして注目を集めている。
栃木県は、条例施行後も継続的に相談事例を収集・公表し、社会全体でのカスハラ防止意識の向上を図っていく方針を示している。この動きは、サービス業を中心とした職場環境の改善に寄与することが期待される。



