宮崎県警パワハラ自殺訴訟、控訴断念で賠償命令確定 上司処分は「今後判断」
宮崎県警パワハラ自殺訴訟、控訴断念で賠償確定

宮崎県警パワハラ自殺訴訟、控訴断念で賠償命令が確定

宮崎県警日向署に所属していた男性警察官(当時30歳代)が2019年に自殺した問題で、両親が県を相手取って損害賠償を求めた訴訟において、1審・宮崎地裁判決が確定した。県警監察課が16日に明らかにしたところによると、県は控訴を断念し、判決内容を重く受け止めたと説明している。

判決内容と県警の対応

判決は、上司によるパワハラや長時間労働が原因で男性警察官がうつ病を発症し、自殺に至ったと認定。宮崎県警は安全配慮義務に違反したとして、県に計約2900万円の支払いを命じた。この判決は14日に確定し、現在は賠償命令が法的に効力を有する状態となっている。

県警監察課によれば、自殺後の聞き取り調査ではハラスメントはなかったと判断し、地裁からの和解勧告を拒否していた。しかし、今回の判決を受けて控訴を断念した理由として、「判決内容を重く受け止めた」と述べるにとどまった。当時の上司に対する処分については、「今後適切に判断する」としており、具体的な措置は未定のままである。

組織としての反省と今後の取り組み

宮崎県警察本部の高井良浩本部長は、この事態についてコメントを発表した。「お亡くなりになった職員のご冥福をお祈り申し上げるとともに、ご遺族に対し心よりお悔やみ申し上げます。二度とこのような悲しい出来事が発生しないよう、組織を挙げて、良好な職場環境の確保に努めてまいります」と述べ、再発防止への決意を示している。

この事件は、警察組織内部におけるパワハラ問題や労働環境の改善が急務であることを浮き彫りにした。県警は今後、職場環境の整備やハラスメント防止策の強化に取り組むとみられるが、具体的な処分や改革の詳細はまだ明らかになっていない。

裁判の経緯を振り返ると、両親は長時間労働や上司からの不当な扱いが自殺の直接的要因だと主張し、訴訟を提起。地裁判決はこれを支持し、県の責任を認める形となった。この判決確定により、公務員のメンタルヘルス対策や職場の安全配慮義務が改めて問われることになった。