道頓堀刺殺事件、容疑者が留置場からの出頭を拒否 書類のみ送検へ
道頓堀刺殺事件、容疑者が留置場出頭拒否で書類送検

道頓堀刺殺事件で異例の対応 容疑者が留置場からの出頭を拒否

大阪ミナミの繁華街・道頓堀で発生した17歳少年刺殺事件で、大阪府警は2026年2月17日、無職の岩崎龍我容疑者(21)を殺人容疑で送検した。しかし、本人が留置場から出ることを拒否したため、同日午前、捜査書類のみを大阪地検に送付する異例の措置が取られた。

事件の概要と容疑者の供述内容

事件は2月14日午後11時55分ごろ、大阪市中央区心斎橋筋2丁目のビル1階エントランス内で発生した。岩崎容疑者は、奈良県田原本町の会社員・鎌田隆之亮さん(17)の胸を刃物で刺すなどして殺害した疑いが持たれている。現場では他に2人の17歳少年も刺され、1人が重体となっている。

逮捕後の調べに対し、岩崎容疑者は「殺意はありませんでした。初めはナイフで威嚇するつもりでしたが、向かってきた男の胸付近を突き刺しました」と供述している。捜査関係者によると、逮捕時には凶器とみられる折り畳み式ナイフを所持していたという。

事件の発端と捜査の進展

鎌田さんの体の傷や目撃者の証言から、岩崎容疑者が女性への迷惑行為を注意されたことが口論の発端となり、所持していたナイフで襲撃に及んだ疑いが強まっている。府警は詳しい経緯を慎重に調べている。

岩崎容疑者は16日までは府警の取り調べに応じていたが、17日の送検段階で突然、留置場からの出頭を拒否。このため、刑事訴訟法に基づく48時間以内の身柄送付が不可能となった

法的枠組みと今後の対応

刑事訴訟法では、警察が容疑者を逮捕してから48時間以内に、身柄や捜査書類を検察庁に送るか釈放しなければならないと規定されている。送検後、検察官は24時間以内に勾留の必要性を判断し、必要な場合は裁判所に勾留請求を行う。

今回のケースでは、検察官が留置先の南署に出向いて調べを行うなどの対応が取られるとみられる。捜査関係者は「容疑者の心理状態や意図を慎重に見極める必要がある」と指摘している。

現場の状況と地域への影響

事件現場となったビル付近では、事件発生後、エントランスから道頓堀橋にかけて大規模な鑑識作業が実施された。大阪ミナミの繁華街で発生した凶悪事件として、地域住民や観光客に大きな衝撃を与えている。

府警は引き続き、目撃情報の収集と事件の全容解明に全力を挙げており、安全対策の強化も検討している。事件をめぐっては、少年犯罪の深刻化と繁華街の治安維持が改めて問われる形となっている。