川崎の製鉄所でクレーン解体作業中に重り落下、5人転落で3人死亡
2026年4月7日、川崎市川崎区のJFEスチール東日本製鉄所の敷地内で発生した大型クレーン解体作業中の事故で、作業員5人が転落し、3人が死亡したことが神奈川県警の調査で明らかになった。行方不明者1人の捜索が続けられており、県警は業務上過失致死傷容疑も視野に原因究明を進めている。
約500トンの重りが落下、高さ30メートルの足場も崩壊
事故当時、作業員たちはクレーンのバランスを取るために取り付けられていた円筒形の重りを軽量化する作業に従事していた。この重りは長さ約9メートル、直径6メートル、重量約500トンにも及ぶ巨大な構造物で、内部はコンクリートで充填されていた。
解体作業を請け負っていた東亜建設工業(東京都新宿区)によれば、4人の作業員が重りの上部でコンクリートの掘削作業を行い、もう1人が重機のオペレーターとして作業に当たっていたという。重りの直下には、高さ約30メートルに及ぶ仮設の足場が組まれていた。
何らかの原因で重りが落下し、それに伴って足場も崩壊。重りは床面の鉄板を突き破り、大きな穴を開けた。神奈川県警川崎臨港署は、行方不明の作業員がこの穴から海中に転落した可能性があるとみて、捜索活動を継続している。
犠牲者の身元と事故当時の状況
亡くなった3人の作業員は、いずれも千葉県在住の会社員で、千葉ケン志朗さん(19)、小池湧さん(29)、上山勝己さん(43)と確認された。治療中の1人は搬送時には意識があったものの、会話ができない状態だったという。
気象庁の記録によると、事故発生時には現場一帯に強風注意報が発令されていた。東亜建設工業は現場に風速計を設置し、危険な風速が観測された場合は作業を中断する運用をとっていたと説明しているが、事故との関連性については現在調査中だ。
関係企業が謝罪と再発防止を表明
事故を受け、東亜建設工業は8日夜、「このような事故が発生したことを重く受け止め、原因究明に全力を尽くす」とする謝罪コメントを発表。JFEスチールも「二度と同様の事故が起こらぬよう、安全対策のさらなる強化と徹底を図る」と表明した。
東亜建設工業の広報担当者は、今回解体対象となったクレーンの形状が珍しかったこともあり、「記憶にないような事故」とコメント。産業現場における特殊な作業時の安全マネジメントの重要性が改めて浮き彫りとなる結果となった。
神奈川県警は、重り落下の直接的な原因や強風が作業に与えた影響など、事故の全容解明に向けた捜査を本格化させている。建設業界全体に衝撃が走る中、現場の安全対策の徹底と再発防止策の早期確立が強く求められている。



