入社式で退職届の衝撃!初任給40万円台も 2026年春の売り手市場で企業が独自の工夫
2026年4月1日、新年度がスタートしたこの日、神奈川県内の企業や官公庁では入社式や辞令交付式が行われた。新卒採用は売り手市場が続き、若手人材の獲得競争が激化する中、各企業は新入社員を迎えるために様々な趣向を凝らした。初任給が40万円台に達するケースも見られるなど、採用環境の変化が顕著になっている。
歴史的車両で行う小田急箱根の入社式
小田急箱根(小田原市)は、1919年から走り続ける箱根登山電車の最古参車両「100形」の車内でグループの入社式を実施した。箱根湯本駅から強羅駅まで、急勾配や急カーブに揺られながら、新入社員7人が歴史の重みを引き継ぐ瞬間を体験した。
車内での入社式は初めての試みで、新入社員は当日までその内容を知らされなかった。代表で誓いの言葉を述べた鹿久保拓海さん(22)は、「非常に面白かった。この車両がつないできた歴史を、これからもつないでいくよう頑張りたい。変化がめまぐるしい業界なので、変化も敏感にとらえていきたい」と語った。
小田急箱根グループの入社式は走行する車内で行われ、新入社員代表は運転台から車掌マイクを通して誓いの言葉を述べるというユニークな形式が採用された。
最新車両で使命感を宣言する相鉄の新入社員
一方、相模鉄道(横浜市)は、3月30日に営業運転を開始したばかりの最新車両「13000系」内で入社式を開催した。新入社員40人は、初めて手にする車掌用のアナウンスマイクを使って、緊張の面持ちで一人ずつ抱負を語った。
座間市出身で、幼い頃から電車好きという総合職採用の関駿太朗さん(23)は、「お客様の命を預かるという、責任の重い仕事。新しい相模鉄道をつくる原動力になりたい」と力強く宣言した。
新型車両「13000系」での入社式に参加する相鉄の新入社員たちは、最新技術に囲まれながら、鉄道業界の未来を担う決意を新たにした。
売り手市場の背景と企業の対応
近年の新卒採用市場は売り手市場が定着し、企業間の若手獲得競争が激化している。初任給の上昇や、入社式での独自の演出は、優秀な人材を惹きつけるための戦略の一環だ。
一部では、入社式の場で退職届を提出するという衝撃的な事例も報告されており、雇用環境の多様化が進んでいる。企業は、伝統的な形式にとらわれない工夫を凝らし、新入社員のモチベーション向上や定着率の改善を図っている。
神奈川県内では、この日多くの企業が同様の取り組みを行い、新年度のスタートを華やかに飾った。売り手市場の春は、企業と新入社員双方にとって新たな挑戦の始まりとなっている。



