ブルーカラー職種の年収が急伸 タクシー運転手は38%増、AI普及で傾向加速の可能性
ブルーカラー職種の年収急伸 タクシー運転手38%増 (05.04.2026)

ブルーカラー職種の年収が急伸 タクシー運転手は38%増加

この5年間で、職種による年収の変化に大きな差が生じていることが明らかになった。厚生労働省の賃金構造基本統計調査を基に、2020年と2024年の概算年収を比較した結果、事務や営業といったオフィスワーク中心の職種に比べ、運転手や技術者などの現場で働くブルーカラー職種の年収増加が顕著に表れた。背景には深刻な人手不足があり、今後AIがさらに普及することで、こうした傾向が加速する可能性も指摘されている。

年収が20%以上伸びた職種の具体例

調査によると、2024年の全体平均年収は約527万円で、2020年から8%増加した。特に年収が20%以上伸びた職種としては、歯科医師(44%増)獣医師(40%増)に加え、タクシー運転手(38%増)、電気・ガス料金の集金人やメーター検針員などの外勤事務従事者(34%増)、とび職や鉄筋工などの建設軀体工事従事者(23%増)電子・電気通信技術者(22%増)などが挙げられる。

人手不足が年収上昇の主要因

2024年の有効求人倍率を確認すると、タクシー運転手などの自動車運転従事者が2.74倍、外勤事務従事者は3.31倍、建設軀体工事従事者が9.38倍と、全体平均の1.22倍を大幅に上回っている。この数値から、深刻な人手不足が年収上昇に直接影響を与えていることが推測される。

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オフィスワーク職種の年収動向

一方、主にオフィスで働く職種では、会計事務従事者(15%増)、庶務・人事事務員(12%増)、総合事務員(7%増)など、年収が増加している職種も多い。しかし、現場での仕事に比べると伸び率は全体的に低い傾向がみられた。さらに、公認会計士・税理士(11%減)、法務従事者(13%減)など、もともと高年収だったオフィスワーク職種では年収が減少するケースも見受けられる。

公的枠組みで報酬が決まる職種の動き

現場で働く職種の年収が軒並み大きく伸びているわけではない点にも注意が必要だ。看護師(6%増)、介護職員(4%増)、小・中学校教員(2%増)、医師(7%減)など、労働の需給ではなく公的な枠組みで報酬が決定される職種は、年収が大きく変化していない。

AI普及が働き方の選択に与える影響

リクルートワークス研究所の古屋星斗主任研究員は、「ブルーカラー・現業職で賃金上昇の二極化が起きており、現状では現業職種間でより高い賃金を求めて働き手の移動が起こっている」と分析する。今後については、「AIの普及などで、事務系の需要が減り、現業職との賃金差が変わっていけば、事務系から現業系への移動も起こっていく可能性もある」と指摘している。

AIによる自動化の可能性と職業別の影響

大和総研が2023年に公表した分析によると、AIによる自動化が可能な職業において、ホワイトカラーの職業が自動化の影響を強く受ける一方、ブルーカラーは影響が低いという結果が出た。「自動化対象率」では、電話応接事務員(90%)や税理士(85%)などホワイトカラー職種が高い数値を示すのに対し、配管従事者(3%)やとび職(7%)などのブルーカラー職種は低かった。この調査では、日本の就業者の約8割がAIの影響を受ける可能性があり、約4割の就業者が仕事の半分以上を自動化できると推計されている。

現場での仕事を担うブルーカラーと、オフィスワーク中心のホワイトカラーで、年収は今後どのように変化していくのか。働き手の選択にも大きな影響を与えることが予想される中、人手不足と技術革新が賃金構造に与える影響は、引き続き注目すべきテーマと言えるだろう。

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