千葉県市川市の地理教師が世界一周へ 1年休職し教科書の世界を実体験
地理教師が世界一周へ 1年休職し実体験を目指す (05.04.2026)

地理教師が世界一周の旅へ 教科書の世界を自らの目で確かめる決意

千葉県市川市にある私立昭和学院中学・高校で地理を教える渋谷岳史さん(42)が、今月から1年間の休職を取得し、世界一周の旅に出発する。地理の教科書に登場する地域を実際に訪れ、現地の暮らしや文化を体験しながら学び直すことが目的だ。渋谷さんは「教科書の世界を自分の目と足で確かめたい」と語り、瞳を輝かせている。

20カ国以上を巡る壮大な計画 家族の理解と支援を得て

渋谷さんは長男(12)の中学入学を見届けた後、今月半ばに出国を予定している。まずフィリピンで約1カ月間、英語力を磨いた上で、モンゴル、ギリシャ、エチオピア、チリなど20カ国以上を巡る計画を立てている。2人の子どもを抱え、約4千万円の住宅ローンもある家庭環境の中、旅の予算は自己資金の約300万円。妻(41)には節約を求められているというが、家族の理解と支援を得て実現に至った。

当初はイランをはじめとする中東やイスラエルへの訪問も検討していたが、イラン情勢を受けて断念。「無事に帰るのが最優先」と安全を第一に考えている。昨夏にはインドネシア・バリ島の学校を訪問し、けん玉を使って日本文化を紹介するなど、既に国際交流の経験も積んでいる。

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教員歴20年の転機 「地理学者」から「探検家」へ

新潟県出身の渋谷さんは、明治大学在学中にバックパックを背負ってタイやインドなどを旅行した経験を持つ。「世界各国での体験を語れる地理教師になりたい」という思いから教職の道を選んだ。教員歴は約20年に及び、教科書の内容を一通り教えられるようになった一方、運動部指導に追われる日々が続いていた。

サンテグジュペリの小説「星の王子さま」に登場する、研究室に閉じこもり探検家の話の真偽を見極めるだけの「地理学者」に自らを重ね合わせ、変化を求めるようになった。2年前、家族で訪れたフィリピンでの体験が転機となった。散歩中に現地の人に誘われて家を見学し、学生時代のわくわく感がよみがえったという。

「地理教師を目指した原点を思い出し、血が燃え上がるようだった。部活が忙しい、パパになったからと言い訳して、自分が本当にやりたいことをできていなかった」と振り返る。

学校の理解と生徒たちの期待 オンライン授業も継続

渋谷さんは昭和学院高校に教員が世界を巡る意義を記した書類を提出し、休職許可を得た。山本良和校長(62)は「教員も学び続け、アップデートする姿勢が必要。若手のいいモデルになる」とエールを送っている。

旅行中もビデオ会議アプリ「Zoom」を使って同校の生徒や卒業生にオンライン授業を実施する予定だ。現地の人へのインタビューをインスタグラムで発信し、卒業生の樋渡百音さん(18)も「卒業後も遠隔で授業が続くよう。職業への熱い思いや、フットワークの軽さを尊敬する」と話している。

帰国後の展望 オリジナル教材で世界の地理を伝える

渋谷さんは帰国後、体験した世界の地理を生徒に伝えるためのオリジナル教材を作成する計画だ。「『卒業後は自分も世界に飛び出そう』と思ってくれる生徒を増やせるんじゃないか。世界に出れば子どもたちも自分でどんどん学んでいける」と考えている。

地理は「自分と違う世界を知り、日本を見つめ直す過程で、多様性と郷土愛を学べる教科」と語る渋谷さん。1年間の旅を通じて得た経験と学びを、未来の教育に活かすことを誓っている。

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