元教員の性加害で賠償命令 生徒にPTSD、札幌地裁が1100万円支払い命じる
札幌市の通信制高校在学中に教員から繰り返し性被害を受け、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された20代女性が、50代元教員の男性と学校法人に約1980万円の損害賠償を求めた訴訟で、札幌地裁は2026年2月20日、元教員の男性に1100万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
生徒の判断能力に便乗し性的要求 裁判長が違法性を指摘
判決などによると、被害は2016年に始まった。当時高校1年生だった女性は、校内で「自宅まで送る」と男性教員から声をかけられ、車内で胸を触られるなどの行為を受けた。その後、校外で会う機会が設けられ、性行為を求められて逆らえず応じたが、次第に男性の要求はエスカレート。汚物を塗りたくられるなどの屈辱的な行為を強いられたという。
女性は大学進学後も男性からの連絡が続き、PTSDなどの診断を受けて精神的苦痛を抱え、大学に通えなくなった状況が続いた。
判決理由で守山修生裁判長は、教員であり30歳年上の男性が、生徒である女性の判断能力の未熟さに便乗して「自らが優位に立つ関係を形成しながら性的要求に応じさせた」と明確に指摘。これは性的自己決定権を侵害する違法な行為であると断じた。
「どれだけお金をもらっても納得いかない」 原告女性が声詰まらせ
判決後、原告側代理人の弁護士が東京都内の司法記者クラブで記者会見を開催。女性本人は電話で参加し、「どれだけお金をもらっても納得いかない」と声を詰まらせながら心境を語った。この発言は、金銭的賠償では癒やされない深い精神的苦痛を物語っている。
本判決は、教育現場における信頼関係を悪用した性加害行為の重大性を司法が認めた事例として注目される。学校法人に対する請求については、別途判断が示される見通しだ。



