藤沢市立中学校のICT教育、保護者から説明会と意思表示の機会を求める声
藤沢市立中ICT教育、保護者から説明会求める声 (17.04.2026)

藤沢市立中学校のICT教育、保護者から説明会と意思表示の機会を求める声

神奈川県藤沢市立中学校の保護者が、情報通信技術(ICT)教育に関する対面での説明会や、学習用端末(タブレット)貸与への意思表示をする機会を市教育委員会に求めている。政府が2019年に打ち出した「GIGAスクール構想」を受け、同市立学校でもタブレットが導入されているが、保護者側はより透明性の高い説明と選択肢の拡充を訴えている。

選択肢が「同意」のみの同意書と保護者の要望

藤沢市は2020年度に、市立小中学生約3万人を対象にタブレットを貸与した。以降、卒業時に返却を受け、新1年生に貸与を継続している。しかし、保護者が提出を求められる「学習用端末借用に関する同意書」や、ICT教育に関する個人情報の取り扱いに関する承諾書には、「同意」「承諾」以外の選択肢が設けられていない。

保護者は2026年3月19日、市教委に請願を提出。子どもの教育について考え、学び方を選択するためには説明会を開き、タブレット貸与などの機会に意思表示できるようにしてほしいと求めたが、不採択となった。市教委は年度当初の保護者会や学校からの「お便り」で端末の使用を説明しており、ICT教育に特化した保護者説明会は行っていないとしている。

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市教委の対応と課題

なぜ説明会を開かないのか。市教委は取材に対し、「いろいろな教育課程の中でICT教育を行うので、全体の中で説明した方が良い」との判断を示し、質問のある保護者には「個別に対応している」と説明した。同意書の文面は「学校と相談して決めるため」直ちに変更できず、「同意」の書類が提出されない時は「なぜタブレットを使うか保護者に説明する」と話している。

一方、タブレットやデジタル教科書は効果に加え、マイナス面も指摘されている。3月17日の参院予算委員会では、教員経験のある神谷宗幣氏(参政)が学習効果をただした。また、隣接する鎌倉市立中学校では昨年度、授業に使うタブレットで他生徒を盗撮する事件が発生し、市教委が目的外使用禁止を改めて指導している。

藤沢市教委はタブレット導入後の「学びの効果は数値で表せない」と説明し、視力低下や目的外の使用は「確認していない」としている。2026年4月には、保護者に個人情報取り扱いに関する文書を配布したが、昨年同様、意思表示できる項目はなかった。ただし、新たに承諾書が提出されない場合は「承諾しないものと判断」することが明記された。

専門家の見解:ICT教育には家庭や教師の納得が必要

政府は、デジタル教科書を紙と同様に正式な教科書と位置付ける学校教育法などの改正案を7日に閣議決定した。ICT教育に詳しい法政大学キャリアデザイン学部の児美川孝一郎教授は、ICT教育やタブレット使用について、慎重に準備をして合意形成を行うのなら問題はないと指摘する。

児美川教授は次のように述べている。「大切なのは何のために使うのかを、子どもや保護者、教師が納得しているかどうかだ。体への影響も含めて不安に感じる保護者もいる。タブレットを何に使うのかといった、ICT教育に特化した説明をした方が良い。そうしないのは、学校が何のために導入するか分かっていないからではないか。」

さらに、国の方針でタブレットを配ることから始まり、とにかく使えという雰囲気になっていないか懸念を示し、じっくり考えをまとめる場面でのタブレット使用は間違いだと指摘。小学校低学年は学習習慣が身に付いていないため、手を動かすことや体の感覚で覚えることを学んだ上で、タブレットを使う方が良いとアドバイスしている。

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藤沢市のICT教育を巡る議論は、デジタル化が進む教育現場において、保護者の参加と透明性の確保が重要な課題であることを浮き彫りにしている。今後も、効果的なICT教育の実現に向けた対話と改善が求められるだろう。