横浜女学院の「土曜チャレンジ」で生徒が教員以外の大人と出会い、興味を広げる
横浜女学院の「土曜チャレンジ」で生徒が興味を広げる

横浜女学院中学校高等学校が「土曜チャレンジ」を導入し、生徒の興味を広げる取り組みを強化

横浜女学院中学校高等学校(横浜市)は、2026年度から中1から高2の生徒を対象に、月1回の課外活動「土曜チャレンジ」を開始しました。このプログラムでは、心理学や社会福祉、医学、スポーツビジネスなど、多様な分野で活躍する外部の大人たちを講師として招き、月に30から40ほどの講座を開講しています。生徒たちは自分の興味関心に合わせて自由に講座を選択し、受講できる仕組みとなっています。

能動的な学びの機会を提供し、将来のキャリア形成を支援

広報委員長の今井智章教諭は、「『土曜チャレンジ』は、能動的な学びの機会を作り、生徒の興味関心を深めて行動するきっかけにしてほしいという思いから生まれました。学校での学びが将来、どのような場面で役立つのかを知ってもらいたいと考えています」と語ります。講座は月1回、土曜日の2コマを充てて実施され、内容は犬のトリマー体験や洋菓子の調理実習など、体験やワークショップも豊富に含まれています。講師陣には、高大連携する大学の教員や社会で活躍する卒業生、在校生の保護者などが参加し、多様な視点を提供しています。

対象となる中1から高2の約700人の生徒は、1講座あたり20から30人が受講します。これまで、2025年4月には36講座、5月は34講座、6月は44講座、9月は30講座、10月は34講座が用意されました。1コマは50分ですが、2コマ連続で行うものや2か月連続のシリーズ講座もあり、内容に応じて形式が柔軟に設定されています。開講日の約3週間前に講座一覧が発表され、生徒は1週間以内に第5希望まで選択します。今井教諭は、「希望通りの講座が受講できない場合もありますが、興味がなかった講座から新しい気付きを得た生徒も多いです。生徒のやる気を引き出すきっかけは多様であるため、幅広いジャンルの講座を教員全員で探しています」と説明します。

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教員以外の大人との出会いを通じて、社会とのつながりを実感

「土曜チャレンジ」では、教員は原則的に講師を担当しません。今井教諭は、「夏休みと冬休みに行う『探究DAY』では教員が講義をしますが、『土曜チャレンジ』では、6年間の学習の先にある世界の広がりを感じてもらいたいと考えています。普段の勉強が社会とどうつながっているのかを知り、社会で活躍する先輩たちの姿を見て、将来『なりたい自分』を見つけるきっかけにしてほしいです」と強調します。

2025年11月22日に開催された第6回講座では、中1と中2生が全員必修の「宇宙工学」を含む20講座が開かれました。その中で、中2生の保護者で化粧品会社資生堂の販促営業を担当する五島賢治さんによる講座「メイクの力 ヒットを生み出すPR戦略」が実施され、30人の生徒が参加しました。五島さんは、老人ホームでのメイク講座の効果や戦時下の女性の化粧道具への執着を紹介し、「化粧は単なる道具ではなく、心を支えるパワーがある」と語りかけました。また、プチプライスコスメや韓国コスメ、ラグジュアリーコスメの特徴をグループ討論で学び、後半ではアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)をテーマに、メイクを通じた自己表現の重要性を伝えました。

講座後、生徒たちからは「化粧が認知症の遅延や心の支えになることを知り、かけがえのない存在だと感じました」「自分の個性を大切にすることが美しさにつながると気付きました」などの感想が寄せられ、深い学びの成果が示されました。

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生徒の夢や社会課題への関心が広がり、具体的な行動へと発展

「土曜チャレンジ」に参加する生徒たちは、多様な講座を通じて将来の夢や社会課題への関心を深めています。建築士を目指す高2の根本理央さんは、デザイン工学や建築学、森林学などの講座を受講し、「普段の授業とは異なる深い学びがあり、専門的な話を質問しながら理解を深めています」と語ります。また、人間社会学や心理学の講座では、生物の多様性に感動したり、モチベーションのタイプを客観的に知ることで受験勉強に生かせる気付きを得たと述べています。

中1の大谷蘭さんは、国際社会学やSDGsに関する講座を受講し、社会課題への関心が高まったと話します。「世界の貧困問題や食料問題について学び、友達と募金活動を始めました。将来は社会貢献ができる仕事に就きたいです」と夢を語り、プログラムが実際の行動に結びついていることを示しました。

今井教諭は、講座の影響が生徒の行動に現れていることに成果を実感しています。「根本さんは建築系への夢が確固たる目標に変わりました。また、人身取引の問題を学んだ生徒が文化祭で発表するなど、学びが社会への発信につながっています。今後は事後学習を充実させ、さらなる学びの深化を目指します」と展望を語りました。

この取り組みは、横浜女学院中学校高等学校が教育の多様化を推進し、生徒のキャリア形成を支援する重要な一環として位置付けられています。