学生の書籍費が初めて月1000円を下回る 食費増加でAI活用が急拡大
全国大学生協連は2026年2月24日、昨年秋に実施した第61回学生生活実態調査の結果を公表しました。この調査により、学生の月平均書籍費が統計開始の1960年代以降で初めて1000円を割り込んだことが明らかになりました。同時に、下宿生の食費が大幅に増加しており、物価高の影響で学生が生活費のやりくりに苦慮している実態が浮き彫りとなっています。
書籍費の大幅な減少と食費の増加が顕著に
調査結果によると、1カ月あたりの書籍費の平均は、自宅生が970円、下宿生が990円となりました。これは2024年の自宅生1450円、下宿生1500円から大きく下落した数値です。特に、書籍費が1000円を下回ったのは統計史上初めてのことで、学業や娯楽に関連する支出の減少傾向が強まっていることを示しています。
一方で、月平均の食費は下宿生において約3700円の増加が見られました。この食費の上昇は、近年の物価高騰の影響を直接的に反映しており、学生たちが書籍費や教養娯楽費を削減することで、生活費のバランスを取ろうとしている実態が窺えます。物価高が学生生活に与える圧迫が、支出の優先順位の変化を通じて明確に表れているのです。
生成AIの利用経験が92.2%に急増 日常的な活用が進む
今回の調査では、生成人工知能(AI)に関する学生の利用状況も注目されました。「チャットGPT」などの生成AIについて「利用経験がある」と回答した学生は92.2%に達し、2024年の68.2%から大幅に増加しました。この急激な伸びは、AI技術が学生生活に急速に浸透していることを示しています。
利用目的については、複数回答で「論文・リポート作成の参考」が49.8%と最も多く、次いで「相談、雑談相手」が31.7%となりました。これらの結果から、AIが学業支援だけでなく、日常的なコミュニケーションのツールとしても活用されている様子が明らかになりました。学生たちがAIを積極的に取り入れ、効率的な学習や生活の質の向上に役立てている実態が浮かび上がっています。
調査の概要と今後の課題
この調査は昨年10月から11月にかけてウェブ上で実施され、全国の国公私立31大学の学部生約1万3千人から回答を得ました。調査結果は、学生の経済的負担の増大とテクノロジーの活用の進展を同時に映し出しており、教育環境の変化を考える上で重要なデータを提供しています。
書籍費の減少と食費の増加は、物価高が学生の購買行動に与える影響を如実に表しており、今後の学生支援政策の検討材料となるでしょう。また、AIの普及は教育方法の革新や学生の学習スタイルの変容を促す可能性があり、大学や社会全体で対応が求められる課題です。学生生活の実態を継続的に把握し、適切な支援策を講じることが重要と言えます。



